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2013年 6月29日

「アベノミクス効果は幻想だ
参議院選挙 私の視点 

 経済評論家 山家悠紀夫(やんべゆきお)さん

  株高と円安で景気が良くなるという期待が国民の間で高まっています。しかしこれは幻想です。「アベノミクス」は一時的な目くらましであり、景気は良くなりません。そのことに早く気付くべきでしょう。

 安倍政権はお金の流通を増やす政策を進めていますが、銀行は経営の厳しい企業には貸さないし、返せるあてのない企業も借りません。増えたお金は大企業とお金持ちの資金運用に回るだけ。株高のバブルを招く政策は危険過ぎます。

 円安だと輸入品の値段が上がります。今の日本は輸出より輸入の方がやや多い状況ですから、影響は深刻です。物価は上がるのに給料は上がらない。生活は苦しくなるばかりです。

 政府は、公共事業のかさ上げなどで経済指標を上向かせる方針でしょう。秋の消費増税を判断するためのもので、景気を本当に良くしようと考えているわけではありません。

●成長戦略も大問題

 アベノミクスで良くなるのはごく一部の人たちで、いつまで待っても国民の多数に効果は出ません。

 逆に、株高バブルがはじける。景気は良くならず、物価は上がる。消費税も上がる。さらに、「成長戦略」で労働法制の改悪や社会保障の負担増も控えているのです。

 選挙で与党が勝てば、私たちの暮らしはえらいことになります。アベノミクスの正体を一日も早く見破ることが必要です。

●プロフィール 1940年生まれ。第一勧銀総合研究所専務理事、神戸大学大学院教授を経て、現在「暮らしと経済研究室」を主宰。『「構造改革」という幻想』(岩波書店)、『消費税増税の大ウソ』(共著・大月書店)など著書多数。
(連合通信)                    

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