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問題だらけの共通番号制法案 |
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年金や税務などに関する個人情報を一元的に管理 |
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政府が国民に番号を与える共通番号制度法案が3月22日、衆議院で審議入りしました。法案は国民全員に割り振った番号で、年金や税務などに関する個人情報を一元的に管理しようという内容。2015年秋に「ICチップ付きカード」を配り、16年1月から開始する予定です。 政府は「公平な社会保障制度や税制の基盤となる」と説明。消費増税の低所得者対策とされる「給付付き税額控除」に利用できるとアピールしています。 ▼「公平」にはならない しかし、番号制は問題だらけ。そもそも、源泉徴収されるサラリーマンと所得を自己申告する人では、税務当局が収入を把握する方法が違うので、この点を変えずに番号を振っても決して公平にはなりません。 医療現場からは「社会保障費削減のために番号制を使って個人会計を導入するのでは」との指摘も。個人会計とは納めた保険料の範囲でしか給付しない仕組みで、経済力で受けられる医療に差が生じ、これまた公平とはほど遠いもの。法案では会計について直接触れていませんが、制度の利用拡大もうたっていることから気掛かりです。 ▼情報漏れにとどまらず ICカードにも心配が。番号のほかに住所、氏名、生年月日、性別が記され、あらゆる個人取引で身分証明書に使われそうです。番号制が採用されている韓国や米国では、このときに番号が不正入手され、本人になりすまして借金されるなどの被害が出ています。ところが、法案では不正を監視すべき第三者機関の委員はわずか7人。心もとない限りです。 制度の初期投資に2000億円もかかるのは、財政面から疑問です。自治体の担当業務について、国が実行を義務付ける法定受託事務とした点は、地方分権の流れに逆行します。警察や検察が「捜査目的」に番号の情報を自由に入手できるのは、いたずらな治安強化になる恐れがあります。 それでも、野党第1党の民主党は政権時代にほぼ同じ法案を提出した経緯があるため、政府与党が目論む4月中の法案成立は現実味を増しています。 |
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