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2013年 9月 9日

   福島無視の安全神話を許すな
さようなら原発講演会

大江健三郎さんらが訴え

 脱原発を求める市民団体主催の講演会「つながろうフクシマ! くりかえすな原発震災」が9月1日、東京・日比谷公会堂で開かれた。約2000人の参加者は、福島事故の風化と安全神話の再生を許すなとの訴えに耳を傾けた。

 主催したのは「さようなら原発一千万人署名 市民の会」で、呼び掛け人を中心に発言が相次いだ。

▼「沈黙は日本人の悪徳」

 ルポライター・鎌田慧さんが「今日からもう一度、脱原発運動の大きなうねりをつくっていこう」と声を上げると、作家の大江健三郎さんは、原発ゼロを求める世論に沈黙を続ける政府の姿勢を非難。「何事もはっきりさせない日本人特有の悪徳だ」と語った。さらに、「次の世代が生きのびられる世界を残すことが、私たちの何より大切なモラルだ」と説いた。

 作家の澤地久枝さんは、汚染地域に住民を戻そうとする「棄民」行為が、国民の命を軽視した戦時中と重なると指摘。経済評論家の内橋克人さんも、福島県民が放射能に対する偏見で差別されて自虐的になっている実態を明かした。

 作家の落合恵子さんは、「福島事故は過去のものではない。原発の安全神話を信じている人の心の扉にノックして、訴え続けよう」と呼び掛けた。

 京都大原子炉実験所助教の小出裕章さんも講演(12ページに詳報)。このほか、演奏やコントでも再稼働や原発輸出に前向きな政府への批判が展開された。

「原発事故、もはや犯罪」京大・小出助教政府と東電の処罰訴え

 9月1日に開かれた「さようなら原発講演会」で、京都大原子炉実験所助教の小出裕章さんは「原発事故で起きたことはもはや犯罪」と語り、政府や東電の責任を厳しく追及した。

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 福島原発事故で大気中に放出された放射性物質の量について、政府は「広島原爆の168発分」としている。だが、事故の責任者は被害を軽く見せようとする。実際は500発分放出されたのではないか。

 放射性物質で約1000平方キロメートルの土地が汚され、人が住めなくなってしまった。「国破れて山河あり」という言葉があるが、ある意味では戦争よりひどいことが起きているといえる。

 事故以前、年間被曝量は法律で1ミリシーベルトと定められていたが、政府は事故でそれをほごにし、20ミリシーベルまで引き上げてしまった。これはもはや犯罪。責任者は処罰を受けなければいけない。

▼政府にだまされるな

 事故が起きた責任が私たちにも全くなかったとはいえない。「安全神話をつくった政府にだまされた」と言い訳したところで、無罪にはなれない。だまされた責任があると思う。

 これから私たち一人一人は、未来の子どもたちから問われるだろう。「福島事故以降、あなたたちはどうやって生きたのか」と。その問いにしっかり答えられるように、歴史と事実を見つめ、決してだまされずに生きなければならない。(文責・連合通信編集部)     
 

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