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2013年10月15日

  「民主主義の空洞化招く」
元毎日新聞記者の西山太吉さん

秘密保護法案を批判

 1971年に結ばれた沖縄返還協定の「密約」をスクープして逮捕された元毎日新聞記者の西山太吉さんが10月10日、国会内で講演を行い、秋の臨時国会に提出が予定されている秘密保護法案について「情報公開制度が日本からなくなることになる。(国民に真実が知らされず)民主主義の空洞化を招く」と批判した。

 秘密保護法案は、外交や軍事、テロの防止に関する機密を「特定秘密」に指定し、国家公務員が漏らしたり、不正に入手したりした場合、懲役10年以下の罰則を設けている。報道機関や日弁連、市民団体からは「国民の『知る権利』や報道の自由が侵害される」と懸念の声が出ている。

▲情報公開制度に反する

 西山さんは、沖縄返還の際に米国側が本来負担する土地の原状回復費用を日本が肩代わりする「密約」の存在を自民党政権が否定し続けた事実を挙げ、「日本では政府がウソをついても、それがまかり通る」と語り、秘密保護法でより情報が隠ぺいされることになると懸念した。保護法の狙いについても、「(建前と異なる)日米同盟の運営実態を国民に知らせないことだ。これは情報犯罪だ」と強く非難した。

 さらに「今でも外交機密は鉄壁に守られている。どうして保護法が必要なのか」と指摘。情報公開制度とは相容れない法律だとした上で、「どんなに開示請求をしても秘密として却下され、真実は永遠に出てこなくなる」と警告した。

 講演は、「秘密保護法を考える超党派の議員と市民の勉強会」が主催した。

沖縄密約事件

 1971年に沖縄返還協定が署名された際、米国が負担するはずだった土地の復元費用を日本が密かに肩代わりし、それを隠ぺいしていた事件のこと。毎日新聞記者だった西山さんが女性事務官を通じて情報を入手し、国会で追及される事態に発展。2人は国家公務員法違反で逮捕されました。裁判では密約の存在よりも取材方法に論点がずらされ、ともに有罪判決を受けました。

 その後、米国の公開資料や署名をした外務省元高官の証言で密約の存在が明らかになりましたが、自民党政権は一貫して存在を否定。09年の政権交代後、岡田克也外相(当時)は密約の存在を初めて認めました。ところが、資料は開示されず、情報公開を求める裁判でも東京高裁が請求を棄却しています。。
 

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