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2013年 9月 9日

    民法の早期改正を促す
Q&A/婚外子相続差別は違憲判断

裁判官14人全員の一致意見として違憲

 Q 結婚していない男女間に生まれた子ども(婚外子)の遺産相続を、結婚した夫婦の子の半分とする民法の規定が憲法違反と判断されたそうだね?

 A 最高裁大法廷が9月4日、裁判長の竹崎博允(ひろのぶ)長官以下、裁判官14人全員の一致意見として違憲とした。「憲法14条が保障する法の下の平等に反する」としている。

▼最高裁「家族形態が変化」

 Q 最高裁は1995年に、解決済みの相続案件への影響を挙げて「合憲」としていたはずだが?

 A 婚外子は、90年の1万3000人から2011年には2万3000人に増えている。一人で育児をすることを選ぶ人が多くなったからだ。婚外子差別の民法規定は、子どもは夫婦が産むことが当然とされた明治時代の115年前に設けられた。最高裁は違憲判断の理由を「家族形態の多様化や国民意識の変化を考慮した」としている。

 Q 憲法は施行から既に66年たつ。なぜ、今まで違憲とされなかった?

 A 行政や立法府が民法改正に動くことを望んでいたようだ。法務省の審議会は96年に差別撤廃を含む改正案要綱を答申し、国連の委員会も日本に是正勧告を出し続けていた。だが、政府や国会は本腰を入れず、最高裁もついにレッドカードを突き付けた。

▼法的差別許されない

 Q 今後の動きは?

 A 政府は秋の臨時国会にも改正案を提出する方針で、国会は速やかな審議が求められる。伝統的な家族の形を重んじる国会議員もいるようだが、子どもは家族を選んで生まれてくることができず、法的に差別するのは許されない。先進国で差別規定が残っているのは、日本だけであることも考えておきたい。     
 

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