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「諦めず廃止活動始めよう」 |
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廃案の声、全国に広がる |
防衛、外交など国の安全保障にかかわる機密を漏らした公務員らに厳罰を科す特定秘密保護法案が12月6日、参議院で可決・成立した。国会周辺ではこの日も多くの市民が廃案や徹底審議を求めたが、その声はついに届かず。参加者は法の廃止に向けて立ち上がることを誓い合った。 ▲国会前に1万5000人 「弁護士になって33年、請願デモでこれほど市民が盛り上がったのは例がない」 海渡雄一弁護士は参加者で埋め尽くされた会場を見渡し、こう語った。 6日夜から東京・日比谷野外音楽堂で始まった秘密保護法の廃案を求める集会。全国から1万5000人(主催者発表)が押し寄せ、会場の外は入りきれない人であふれた。 主催者を代表してあいさつした海渡弁護士は、今夜中にも参院で強行採決がなされようとしている状況を踏まえ、「成立しても諦めない。翌日から廃止の活動を始めよう」と呼びかけた。 ▲「メディアが排除される」 野党議員約20人も駆け付け、「知る権利、平和主義をなし崩しにする」など法案の危険性を訴え、廃案に向けて決意を語った。 官僚がネット上で被災者らを中傷していた事実をスクープしたインターネットメディアの共同代表、白石草(はじめ)さんは、「政府によるコントロールが効かないメディアは排除される。私たちがその最初だろう」と危機感を訴えた。 集会の最後には、廃案とともに安倍政権打倒を誓う大会宣言を採択した。 ▲「権力暴走に想像力を」/一人で参加した木本さん 集会には、団体メンバーでなく、個人として参加した人も少なくなかった。神奈川県鎌倉市の会社員、木本希(のぞみ)さん(36)もその一人だ。どんな思いで参加したのかを聞こうと、国会までの請願デモ行進を一緒に歩いた。 きっかけは震災の年に生まれためいの存在だという。法案が成立し、戦争の可能性が高まれば、全く責任のない彼女たちの世代にも危険が及ぶ。「なんで反対しなかったの、と言われないよう、やれるだけのことをやっておきたかった」と木本さん。 世論では半数が法案に反対している。とはいえ、実際デモなど抗議活動に参加することとはかなり距離感がある。その点について、木本さんは「権力暴走のリアリティーを想定できていなくて、緊迫感がないからでは」と投げかける。さらに「政治家が代わっても法律は残る。将来悪用される不安は消えない」と訴えた。 国会に向かう道すがら、木本さんはシュプレヒコールを唱和するでもなく、どちらかと言えば現代風の冷めた印象の男性だった。 6日夜の国会前には、そんな「普通」の人たちが多く見受けられた。声は出さなくても真剣なまなざしで国会を見つめていた。木本さんは、「参加者一人一人にストーリーがあるのだと思う」と語っていた。 |
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