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2013年 9月24日

   首相発言に批判集中
東京・亀戸の脱原発集会

「汚染水、コントロールできていない」

 作家の大江健三郎さんなど著名人9氏が呼びかけ人を務める「さようなら原発一千万人署名 市民の会」が9月14日、東京・亀戸で9000人規模の集会を開催した。安倍首相が福島第一原発の汚染水漏れを「コントロールできている」と語ったことに、批判が集中。呼びかけ人の一人、作家の落合恵子さんは「今も汚染水は増え続けている」と指摘した上で、「政府関係者には己の存在をかけて発言内容を実現してもらう」と強調した。

 集会後、参加者は2コースに分かれてデモ行進し、原発の再稼働反対を訴えた。

▲「ウソ」のツケを払うのは

 福島第一原発では、壊れた原子炉建屋に地下水が流れ込み、毎日約400トンの汚染水が発生している。汚染水漏れや海洋流出も続いているが、安倍首相はアルゼンチンでのオリンピック招致演説で「(海洋への流出は)完全にブロックされている」などと安全性を強調した。

 しかし、その翌日、東京電力が首相の発言と食い違う見解を発表するなど、波紋が広がっている。

 集会で大江健三郎さんは、首相の発言を「ウソ」と断言した上で、ウソが海外で明らかになった時の悪影響を懸念。「それを受け止めることになるのは次の世代だ」と強い憤りを示した。

 北海道大学名誉教授の小野有五さんは、燃料棒が残ったままの4号機建屋がマグニチュード5クラスの地震で崩壊する可能性があることを指摘。「日本は崖っぷちにある」と強調するともに、その事実がほとんど報道されていないことについて、「コントロールされているのは汚染水ではなく、情報だ」と語った。

▲原発立地からも訴え

 全国の原発立地からの訴えも相次いだ。

 柏崎刈羽原発がある新潟県から参加した中村進さんは、泉田裕彦知事が「福島事故の原因究明が不十分なのに、なぜ審査基準が作れるのか」などと尋ねる質問状を、原子力規制委員会に2度送付したことを報告。しかし、規制委の回答はいずれも「木で鼻をくくるような内容だった」。

 大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働をめぐっては今月2日、規制委が原発敷地内を走る断層について、「活断層ではない」との見解を取りまとめた。有識者間でも意見が分かれていた問題だけに、住民の松永寛治さんは「市民はどちらが正しいのか今も悩んでいる」と報告。それでも、「少しでも危険性があるのなら、廃炉にすることが大事だと確信している」と決意を語った。

 大間原発を建設中の青森県や、再稼働審査中の川内原発がある鹿児島県などの住民も、現地の状況を報告した。
 

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