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狙われる96条 |
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改憲勢力、参院選で議席増 |
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▼意のままに政治動かす 改憲を掲げる自民党が大勝した参院選。秋以降、96条の先行改正を始めとする改憲議論が活発になるとみられ、憲法の存在意義が改めて問われそうです。 衆議院では、改憲を主張する自民、維新、みんなの3党で3分の2を超える366議席を確保しています。今回の選挙で「ねじれ」が解消したとはいえ、参議院では、非改選分を含めても改憲勢力は144議席。3分の2に及ばない状況です。改憲の発議には、衆参各院の3分の2以上の賛成が必要(憲法96条)で、ただちに改憲するのは難しい状況です。 しかし、これに改憲そのものは否定していない公明党を加えると、参議院でも3分の2を超え、改憲派を抱える民主党の動向によっては一気に改憲へ突き進む恐れもあります。 当面の争点は「96条の先行改正」。安倍首相は「2分の1以上の国民が変えたいと思っても、3分の1を超える国会議員が反対すればできないのはおかしい」(4月9日の衆院予算委員会で)と、ハードルの引き下げを求めています。 この事態に憲法学者らが集まって5月に「96条の会」が結成されました。9条改憲が持論の小林節慶大教授(憲法学)も発起人に名を連ね、「今までよりも少ない人数で憲法に手をつけられるようにするというのは、政治家の権力を不当に強めるだけ」と反対を呼び掛けました。 国の最高法規である憲法は権力の暴走を止めるものというのが世界の常識です。これが容易に変えられることになれば、時の権力者の意のままに国や政治が動かせることに。例えば、9条がうたう「戦争放棄」や11条の「基本的人権」、14条が定めた「法の下の平等」など、戦後日本が大事にしてきた理念や制度が危機にさらされてしまいます。 自民党は昨年4月に発表した「憲法草案」で、天皇の国家「元首」、国防軍の創設、基本的人権の制限などを掲げました。こうしたことを正々堂々と議論しようとせずに手続きだけを先に変えようとするのは、国民軽視のあらわれです。 |
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