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20歳代前半の男女30人が最大1・7ミリシーベルトを被曝 |
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深刻な課題、改めて示す |
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日ごろから人体に有害な化学物質を扱っている、ある企業の研究職社員は「たとえ危険物でも、毎日近くにあると慣れてしまう」と言います。だからこそ、危ない作業であることを忘れないよう肝に銘じなくてはなりません。 茨城県東海村にある日本原子力研究開発機構の加速器実験施設「J―PARC」で、5月23日昼に起きた放射能漏えい事故は、まさに「慣れ」が招いたと言えるでしょう。 ▼作業続行、報告も遅れ 原子力機構によると、実験担当者は、装置異常を知らせるブザーが鳴ったのに作業を続けた上、施設内の放射線量が上がると、フィルターなしの換気扇で放射性物質を外部環境に放ちました。現場からは国へすぐ報告すべきと声もあったそうですが、責任者は翌24日の深夜まで先延ばしに。少なくとも20歳代前半の男女30人が最大1・7ミリシーベルトを被曝したことが明らかになったのは、さらに数日後でした。 実験施設は原子力発電とは異なるとはいえ、「核」を扱っているのは同じ。原子力機構は、高速増殖炉「もんじゅ」でも大量の点検漏れが見つかり、原子力規制委員会に使用停止を命じられたばかりでした。 ▼任せていいのか 日本の原発について、存廃の道はいまだに見えませんが、どちらにしても機構は重要な仕事に当たることになるでしょう。しかし、放射性物質にあまりにも「慣れ」きっている現場や、そんな危うさを自覚できない責任者がはびこっている組織に任せていいのか。「脱原発か廃炉か」という議論とは別に、原子力について日本が抱えている深刻な課題が改めて示されています。 |
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