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2013年 3月 1日

進まぬ復興と新たな危機 
東日本大震災2年

被災者の声に耳傾けることこそ大切

 東日本大震災から2年。被災者の生活再建が遅々として進まないなか、新たな危機が訪れようとしています。政府が被災者の声に耳を傾けた本当の支援策はいつできるのでしょうか。

▼医療ますます遠のく

 被災者に対する医療費の一部自己負担の免除措置が3月末で打ち切られようとしています。岩手県保険医協会のアンケート調査によると、自己負担が発生する4月以降、「今までどおり通院するか」を尋ねたところ、43・6%が「回数を減らす」「通院できない」と答えました。

 そのほとんどが経済的理由で受診をためらっています。定期的な診察が必要な高血圧や糖尿病を患っている人が多く、命にもかかわる問題です。回答者からは「津波で死ねば良かったと考える時がある」という悲痛な声が寄せられました。

 宮城県を含む仮設住宅入居者の8割超が免除継続を希望しています。現在、自治体の負担で国民健康保険と後期高齢者医療制度の自己負担が免除されています(ともに3月末終了予定)が、せめて生活が再建できるまでは既に打ち切られた社会保険の免除復活を含め、国の責任で継続させることが必要です。

▼原発事故収束せず/止まぬ再稼働の声

 福島第一原発事故は「収束と言える状況ではない」。安倍首相は2月19日、前政権が11年末に示した政府判断を改めました。

 福一原発では、たまり続ける汚染水の漏えいトラブルが頻発。2月14日にはマスクにフィルターを付けていない作業員が見つかり、被曝対策の不足も明らかに。発生時より少ないとはいえ、放射性物質の外部放出も続いています。

 その傍ら、与党自民党からは原発再稼働を求める声が止みません。原子力規制委員会も7月に新「安全基準」を施行予定で、審査体制を整えつつあります。

▼復興庁、腰重く/被災者支援策決めず

 「一刻も早い復興を成し遂げられるよう、被災地に寄り添いながら、前例にとらわれず、果断に復興事業を実施する」。昨年2月に発足した復興庁は、ホームページでこんな目標を掲げています。今年からは、原発事故の被害に苦しむ福島に現地総局を置き、姿勢もアピールしています。

 ところが、実際は腰の重い組織です。昨年6月施行の「原発事故子ども・被災者支援法」は、国に生活支援策の策定と実行を義務付けましたが、復興庁はいまだ支援策をつくれずにいます。

 同法は、国の避難基準年20ミリシーベルト以下の地域を含め、住民だけでなく避難者も支援するよう求めました。子ども全員の健康診断や避難者への就業支援など、今こそ必要なものを行うよう促しています。事故から2年たっても支援策ができない現状に批判は強まるばかりです。
                             

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