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2013年 8月 6日

    周辺には、カフェや古書店、ギャラリーなどの新しい店も
発言抄/映画で町おこし

NPO法人市民シアター・エフ理事長 竹石研二さん

 埼玉県北部にある人口14万6000人ほどの深谷市で、客席が60席ほどの小ぢんまりした映画館「深谷シネマ」を2002年から運営しています。この地で約30年ぶりとなる映画館で開館以降、毎年2~3万人の観客が訪れてくれています。

 市外から来る観客が地元の商店街を利用することで、寂れていた街は活気を取り戻しつつあります。また映画館の周辺には、カフェや古書店、ギャラリーなどの新しい店も増え、若い人たちの雇用にもつながっています。

 「深谷をこのままにしておけない。街に活気を取り戻そう」

 深谷に映画館をつくろうと思い立ったのは、長らく暮らしてきたこの街を転勤で離れたことがきっかけでした。

 当時の商店街は以前の活気が失われ、シャッターを閉じた店ばかりが目立つようになっていたのです。自分にできることは何かと考えた末、大好きな映画を通じて街を活性化することを決意しました。

 実は若いころに映画会社で配給の仕事に携わっていました。しかし、映画産業が斜陽化してしまったために、やむなくこの世界から遠ざかっていたのです。

 1999年から仲間と共に開館に向け、動き出しましたが、映画館をつくる場所探しや資金確保など、やらなければならないことは山積していました。しかし、そうした困難を乗り越えられたのは、映画への深い思い入れがあったからです。

 深谷シネマの成功を生かし、県内にある閉館した映画館を地元の市民と協力して近々、復活させようと考えています。こうした動きを全国に広げ、地域の活性化と若者の仕事おこしにつなげていきたいですね。
 
 映画館を運営するNPOでは、デジタル映写機を導入するための賛助会員を募集しています。問い合わせは、048(551)4592まで。

 たけいし・けんじ 1948年東京都生まれ。横浜放送映画専門学院卒業。日活児童映画、さいたまコープを経て、現職。
                 

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