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2013年 7月22日

中国電力の「男女差別」認めず
広島高裁判決

30年平社員の女性訴え棄却  

 中国電力の社員、長迫忍さん(50)が女性であることを理由に昇進・昇格で差別を受けているとして、同社に損害賠償を求めていた控訴審判決が7月18日、広島高裁であった。宇田川基裁判長は、同社でほとんどの女性社員の賃金が男性を下回っていることを認めつつも、「人事評定制度は合理的で、明確な男女差別はない」として原告の訴えを棄却した。

 長迫さんは1981年、中国電力に入社。同社にはコース別人事制度がないにもかかわらず、男性に比べて女性の昇進・昇格が圧倒的に遅れている。長迫さんも特許を申請するなど働きぶりは上司から認められていたが、30年以上も平社員のまま。こうした実態に対し「男女格差は性差以外で説明できない」と是正を求め、08年5月に広島地裁に提訴。一審では「女性も管理職に昇進している例がある」などとした会社側の主張が全面的に認められ、敗訴していた。

▼「人事制度は合理的」

 控訴審判決は「(長迫さんと同期同学歴の)事務系女性社員の平均年収が男性と比べて85・6%にとどまっており、ほとんどの女性が男性より低額である」と認めた。一方で、この格差については「女性に管理職就任を敬遠する傾向があったり、自己都合退職も少なくなく、(女性の深夜労働を原則禁止していた)旧女性保護法などの事情もうかがわれる」と指摘。男性同士でも昇格に差がある点などを挙げ、「人事制度は合理的」と一審判断を支持して訴えを退けた。

 原告側は「判決は人事制度に対する盲目的な肯定だ」(代理人の宮地光子弁護士)として最高裁に上告する方針。中国電は「当社の主張が一審に続いて認められた妥当な判決だ」とコメントした。

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