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2013年「大賞」にワタミ |
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市民投票でも2万票超獲得 |
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労働組合や弁護士、ジャーナリストなどの有志でつくる「ブラック企業大賞」の実行委員会は8月11日、不当に労働者を酷使する最も悪質な企業として居酒屋チェーン大手・ワタミフードサービスを今年の大賞に選んだ。昨年の市民投票でトップの「市民賞」獲得後も、過労自死した従業員の遺族に謝罪と面会もしない無反省ぶりが酷評された。今年も最多の2万票以上を得て、「市民投票賞」とのダブル受賞となった。 同賞は過酷な働き方を強いる企業の実例などを告発し、誰もが安心して働ける環境をつくることをめざして昨年から始まった。昨年は福島原発事故の収束作業などをめぐり、下請け労働者へのピンハネや被曝労働のずさんな管理が明らかになった東京電力が大賞に選ばれた。有名企業の労働実態が暴かれ、大勢の市民がインターネットを通じて投票に参加するなどして大きな話題を集めた。 ▼「過労死遺族に謝れ」 今年は長時間労働やパワハラ、いじめの有無、低賃金、労働組合への敵対度などを元に8社・法人がノミネートされた。大賞になったワタミでは2008年6月、新入社員として入社した森美菜さん(当時26歳)が過労死ラインを上回る月141時間の時間外労働を強いられ、入社2カ月で精神疾患を患い、自殺に追い込まれた。 実行委員で遺族を支援している全国一般東京東部労組の須田光照書記長は「昨年の市民賞授与で反省を促したにもかかわらず、その後も責任を一切認めず、遺族との面談と謝罪も拒否している」と受賞理由を説明した上で、「一日も早く遺族に謝罪し、労働環境の改善を求める」と訴えた。 ワタミには再び同じような事件を引き起こさないよう「労働六法」が贈られる。このほか、華やかな業界イメージとは裏腹に過酷な売上ノルマの達成や自社商品の購入を強いるアパレル業界を代表してクロスカンパニーが「業界賞」、職員の過労自死や大学院生の自殺など不祥事が相次ぐ国立大学の東北大学には「特別賞」、社員に仕事を与えず退職に追い込む「追い出し部屋」について東京地裁立川支部から違法判決を受けた教材販売大手のベネッセコーポレーションに「教育的指導賞」が与えられた。 同日、都内で開かれた授賞式にノミネート8社・法人が招待されていたが、いずれも出席しなかった。 ■被害救済の弁護団結成/ブラック企業問題で 過酷な働き方を強いるいわゆるブラック企業の被害救済に取り組む「ブラック企業被害対策弁護団」(代表・佐々木亮弁護士)が7月31日に結成された。全国の弁護士が相談に乗り、NPOと連携して被害者の多くが泣き寝入りしている過酷な働かせ方の根絶を図りたい考えだ。 弁護団は、ブラック企業で見られる長時間残業や残業代の未払い、パワハラ、過労うつなどの相談に応じ、裁判や労災申請の支援を行う。ホームページで違法事例の解説や証拠の集め方を伝えたり、シンポジウム開催を通して実態を告発していく。弁護団は「日本の職場で法が順守され、若者が使いつぶされることのない社会をめざす」としている。 電話相談は、代々木総合法律事務所(03・3379・5211)へ。月曜から土曜の午前10時~午後5時まで受け付ける。 |
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