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2013年 4月 8日

「過酷な働かせ方見直して」
過労死裁判遺族の訴え

さいたま地裁、因果関係認めず 

 「息子のような悲惨な過労死をもう生み出してはいけない」──。矢田部暁則さん(享年27歳)の過労死をめぐり、会社の責任を否定する判決がさいたま地裁(窪木稔裁判長)で出された3月28日、父親の敏夫さん(70)は支援者を前にこう訴えた。

 暁則さんは1998年8月、東京や埼玉でレンタルビデオ店を展開する「クォーク」に入社。1年8カ月で店を5回異動し、夜勤を含む14日連続勤務や月90時間超の残業をこなした。2000年3月に退職。自宅で3カ月過ごした後、転職間もない同9月にくも膜下出血で亡くなった。

 裁判では、死亡が過重労働によるものかどうかが争われた。母親の和子さん(72)は「息子は当初、『半年休む』と言っていた。でも当時は就職氷河期。すぐに仕事を探し始めたが、朝は起きられない、友人と連絡を取らない、土日も寝込む生活で疲労は回復しなかった」と証言する。だが判決は「死後の解剖が行われておらず医学的証拠が不十分」として、死亡と過重労働の因果関係を否定。過重労働の事実だけは認め、同社に慰謝料120万円の支払いを命じた。

▼「根絶の道筋付ける」

 両親は国にも労災認定をめぐる行政訴訟を起こし、一審では因果関係が認められたが、二審で逆転敗訴。現在上告中だ。敏夫さんは「過労死根絶の道筋を付ける」。和子さんは「人間らしい働き方を国は保障すべき。過酷な働かせ方を見直して」と話している。

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