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2013年 9月17日

ILO原則に反するおそれ
「特区」による労働規制緩和

労働者保護が骨抜きに

 「企業特区」や「国家戦略特区」をもちいて、労働規制緩和を志向する動きが相次いでいる。労働に関する法律や政策は政労使で検討するという、ILO(国際労働機関)の三者構成主義の原則を踏みにじりかねないものだ。

▲経産省、説明避ける

 企業特区は、秋の臨時国会に提出する「産業競争力強化法案(仮称)」に盛り込まれる予定。革新的な技術開発を行おうとする複数の企業を対象に、大胆な規制緩和を認めるもので、企業からの提案に基づき可否が判断されるという。

 日本経済新聞は8月、企業特区を活用し、年収800万円超の課長級以上の社員について、残業規制から除外する「プロフェッショナル労働制」の導入を政府が検討していると報じた。そうであれば、第一次安倍政権で導入が目論まれた「ホワイトカラーエグゼンプション」を彷彿(ほうふつ)させる内容だ。

 この問題で、全労連は9月11日、経産省に対し「労働者保護の完全な骨抜きだ」として、検討の中止、撤回を要請した。対応した同省の担当参事官は「企業側の応募で、どんな提案をしてくるかわからない」と答えるばかりで、報道内容についての説明は避け続けたという。

 12日に行われた連合の定例会見でも、「特区」問題に質問が及んだ。大阪府・市が一定の報酬以上の労働者に労働基準法の規制を外すという「特区」構想を提案しようとしていることについて問われ、古賀伸明会長は「全くナンセンス」と切り捨てた。

 労基法は賃金や労働時間など労働者保護の最低基準を定めている。「職場の憲法」というべき同法を、政府が勝手に変えるようであれば、ILOの原則に反すると言わざるを得ない。

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