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未払い残業代求め、労働審判 |
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職場では若者らが組合結成 |
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音楽教室を展開する「アイスタイル」(東京都)の元社員の男性(31)が9月6日、パワーハラスメントで退職を余儀なくされたとして未払い残業代と慰謝料の計約188万円を求める労働審判を東京地裁に申し立てた。同社では懲罰的な賃金カットも横行していたため、音楽講師らが労働組合を結成。賃金の一部を返還させるなど労働条件の改善を進めている。 申し立て書によると、男性は昨年11月に入社。マネジャーとして企画・運営業務を担当した。部下が一人もいないため残業が常態化し、朝4時まで仕事に追われることもあった。給与明細に残業代は明示されておらず、基本給20万円に「諸手当」の18万円が支払われているだけだった。 その後、音楽教室のプロジェクトに関する会議の席で社長から「ぶっ殺す」などの暴言が続き、男性は体調が悪化。今年6月に10日間の休暇を取ったが、休み明け直後に配置転換と賃金カットを命じられ、同月末にやむなく退職した。 ▼残業代請求に「殺すぞ」 男性が未払い残業代を請求することを伝えると、社長から電話で「殺すぞ」「転職できないようにしてやる」と言われたという。男性は「会社を良くしたいと身を粉にして働いたが、やっただけ損だった。自分の人生をすべてないがしろにされたことに憤りを覚える」と語った。 会社は連合通信の取材に対し「担当が多忙のため対応できない」としている。 ▼懲罰的減給が中止に こうした使い捨ての働かせ方をやめさせようと、講師ら40人が7月5日に労働組合を結成した。会員制交流サイト「フェイスブック」で意見交換をしたのが結成のきっかけで、メンバーは20~30歳代の若者たちだ。 講師にはレッスン回数が一定の割合を下回ると、一方的に減給される給与体系があった。ボーカル担当の大多良学委員長は「減給を避けるため8時間連続のレッスンはざら。ピアノを弾きながら声を出し続けて酸欠状態で倒れそうになったこともある」と語る。 7月末に結成通告と団体交渉を行い、懲罰的減給の中止と徴収分の返還、有給休暇の取得などを認める労使の確認書を交わした。 活動を支援する全国一般東京東部労組の菅野存委員長は「若者がブラック企業を改善するために立ち上がった意義は大きい。いずれはシルバー、ゴールド企業にする」と話している。 |
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