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2013年11月19日

「日本政府はILO条約違反」
国公労連と全厚生が申し立て

旧社保庁解雇問題を追及 

 旧社会保険庁(日本年金機構)が2009年末に廃止された際、職員525人が民間の整理解雇に当たる分限免職処分とされた。この問題で、国公労連と全厚生労働組合が、ILO(国際労働機関)に対し日本政府に是正勧告を出すよう申し立てを行った。政府が組合活動を理由にした懲戒処分を行い、処分を受けた職員の年金機構への応募を一律に認めなかったのは、組合活動を保障したILO条約に違反するとしている。

▲政府・自民党が組合敵視

 申し立ては11月6日付。旧社保庁の廃止は、2004年の国会議員の年金未納問題などの不祥事が相次いで明らかになったのが発端だ。自民党は労組が未納情報を漏えいしたと断定するなど、労組敵視の姿勢を強めた。07年2月には大量の年金記録が不明になる「消えた年金」問題が表面化し、同年7月の参院選で与党・自民党が大敗。政府は組合活動の調査を行い、当局が容認していた、組合の専従活動に関わっていた労組役員ら43人を懲戒処分にした上、「詐欺罪」で刑事告発(全員不起訴処分)も行った。

 社保庁の解体・民営化に当たっては、自民党の申し入れで懲戒処分歴がある職員の応募を一切認めないことが閣議決定された。年金機構に民間から新たに1000人を雇って欠員が出ているにもかかわらず、解雇回避努力を尽くさないまま525人が解雇された。

 今年4月以降、人事院に不服を申し立てていた元職員71人のうち、24人が解雇を取り消されている。

▲ILO委員、関心示す

 組合は「解雇は政府が労組を公然と敵視し、団結権の侵害を繰り返す中で強行されたもの」と指摘。結社の自由と団結権を保障したILO87号条約(日本は1965年批准)に違反するとしている。加えて、政府が懲戒処分者を一律に機構から排除したのは労組への逆恨みが原因であり、業務目的外で年金記録を閲覧して処分を受けただけの多数の職員も「組合活動による不利益な取り扱いを等しく受けた」と指摘。これらは組合員への差別待遇を禁止した98号条約(1953年批准)違反という主張だ。

 申し立ては、ILO結社の自由委員会に受理された。当事者を聴き取りした委員は「重要案件だ」と述べ高い関心を示しているという。

 国公労連の宮垣忠委員長は「不服を申し立てた人の34%の解雇が取り消されたのは前代未聞のこと。いかにずさんな解雇が行われたかは明らかだ。何としても残りの仲間を職場に戻したい」と話している。。

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