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2013年 9月 5日

賃下げ延長ならストライキ配置
人事院の機能停止状態では憲法上も可能

国公労連/加盟組合に議論呼びかけ

 国家公務員の労組でつくる国公労連(約10万人)が、来年3月で期限を迎える国家公務員の給与削減特例法による賃下げ措置が延長される場合、ストライキを検討していることが8月29日分かった。同日に都内で開かれた定期大会でスト配置の方針案を示し、加盟組合に議論を深めるよう呼び掛けた。

 国家公務員の給与は昨年4月からの2年間に限り、東日本大震災の復興財源確保を理由に平均7・8%引き下げられている。賃下げ措置が切れる来年4月以降について、新藤義孝総務大臣は8月15日の記者会見で「総合的に検討する」と述べ、延長に含みを持たせた。

 国公労連の宮垣忠委員長は大会あいさつで、「延長は断じて許されない」と政府の姿勢を批判。同労連では既に組合員370人が「労働基本権が制約されたままの一方的な賃下げは違憲」として、国に特例法の廃止を求める裁判を東京地裁に起こしている。さらにストを配置することで延長を是が非でも阻止したい構えだ。

▼人事院機能せず

 ただし、公務員は職務の公共性の高さなどから、民間労働者に保障されている労働基本権が制約されており、争議行為(スト)は法律上認められていない。基本権を制約する代替措置として第三者機関の人事院が設けられており、国家公務員の給与などの労働条件について内閣と国会に勧告を行っている。

 1973年4月の最高裁判決では、「労働基本権の制約は合憲」としながらも、「(人事院がいても)事実上絵に描いた餅に等しいと見られる事態が生じた場合、争議行為を行ったとしても、憲法上保障された行為というべきだ」との補足意見も示している。

 人事院は毎年、民間水準に合わせるために勧告を出してきたが、昨年は特例法で勧告を上回る賃下げが強行された。その上、今年は人事院も民間より低い給与実態を容認。本来の目的である官民較差が縮小されず、代償措置が機能しない異常事態が2年連続で続いている。

 賃下げ措置が切れる来年4月は、消費増税のタイミングとも重なり、政府が「自ら身を切る」姿勢を演出しようと、賃下げを継続する可能性もある。

▼「ストは可能だ」

 同労連の岡部勘一書記長は、「政府は裁判の中で『震災という未曽有の事態だから2年に限って賃下げは許される』と主張してきた。仮に別の理由で延長されることになれば、代償措置は絵に描いた餅どころか無きものになってしまう」と指摘。その場合はストに踏み切っても法的な問題はないとの見方を示した。

 その上で岡部書記長は、加盟組合に対し「実力行使態勢を含め、取り得る最大限の戦術を配置して闘う」と団結を求めた。

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