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社会的責任投げ出し、賃金は抑制 |
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定期昇給制度の見直しにも再び言及 |
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経団連は1月21日、2013春闘交渉に向けた、経営側の対応指針「2013年版経営労働政策委員会報告」を発表しました。長引くデフレを改善しようという視点が全く欠落した現実感に乏しい内容となっています。今年もベースアップの余地はないとし、定期昇給制度の見直しにも再び言及しています。 ▼デフレ解消への責任欠落 最大の特徴は、デフレからいかに抜け出すかについてひと言も触れていないことです。労組が「内需拡大によるデフレ脱却」を春闘の柱に据え、新政権も当面のメーンの政策に打ち出すなか、経労委報告の黙殺ぶりは異常と言わざるを得ません。 10年前の「報告」では、デフレ解消には「供給サイド・需要サイド双方の視点からの取り組みが必要」とするなど、経団連なりの見解を示していたことからみても、社会的責任への自覚の低下は歴然です。 ▼賃金抑制一辺倒に 総額人件費を抑制する姿勢を今年も踏襲しました。ベースアップを行う余地がないと言うだけでなく、定期昇給制度の見直しにも言及しています。 製造業での国際競争の厳しさに触れながら、日本の賃金は「韓国の1・5倍強」「台湾の3倍以上」と危機感をつのらせていますが、競争力は賃金の高低だけで決まるのではありません。生産性や技術も重要な要素です。働く人の頑張りに報いることを否定していては日本の高い技術力や意欲、モラルを損ないかねません。それこそ大きな損失です。 製造業でみれば、日本の賃金は先進国では決して高くありません。賃金水準が約3割高いドイツが、強い国際競争力を誇る事実は、賃金の抑制ばかりを叫ぶ経営方針の誤りを示唆しているといえます。 ▼増える非正規を無視 経労委報告は、「全産業・一般労働者」の11年の所定内給与が97年と比べて上昇しているとする国の調査結果を示し、97年以降賃金が低下していると指摘する労組の主張に反論しています。 でも、これは明白なごまかし。この「一般労働者」には、パートや契約社員など非正規労働者は含まれていないからです。 1人当たりの雇用者報酬は先進5カ国中、日本だけが97年から低下しています。その最大の要因が、非正規労働の増加。「報告」はこの事実から目をそむけるばかりか、派遣や労働時間規制など労働規制の緩和を求める主張をも、多くの紙幅を割いて展開しています。 ▼最賃に矛先を 最低賃金に矛先を向けているのも特徴です。地域別最賃を「早期に全国最低800円」「(2020年までに)全国平均1000円」をめざすとした政労使合意(「雇用戦略対話」)を非難するとともに、産業別の最低賃金を定める特定最賃の「速やかな廃止」を主張。企業内最低賃金協定の締結や水準引き上げについては「慎重な対応」を求めています。 今年の改定審議では注意が必要です。 |
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