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2013年 9月26日

「退職勧奨、強制出向やめて」
ソニー労組仙台支部

社員犠牲の経営を批判

 ソニー仙台テクノロジーセンター(仙台テック・宮城県多賀城市)で、退職勧奨が繰り返し行われ、それに応じない従業員を遠隔地に強制出向させる事態が続いている。こうした違法な嫌がらせに対し、ソニー労働組合(電機連合加盟)仙台支部は「ソニーは雇用と暮らしを守る体力は十分にある」と訴えている。

▲出向拒否に「欠勤扱い」

 「強制出向は嫌がらせにしか思えない」。こう語るのは、宮城県登米市にあるソニー豊里工場で働く女性社員(57)だ。7月中旬まで仙台テックの製造ラインで働いていたが、「早期退職支援」という名の退職勧奨に応じなかったところ、同意がないまま無期限の出向を命じられた。

 「早期退職支援」が発表されたのは、昨年10月。対象は10年以上勤務歴がある40歳以上だったが、同じ職場で声を掛けられたのは女性を含む2人だけ。退職の意思がないことを伝えても、5カ月間に渡り「あなたの仕事はない」と説得される面談が10回以上繰り返された。女性は「異動する直前まで仕事は続けていた。本当は辞めさせやすい人を狙い撃ちにしているだけだった」と明かす。

 出向を拒むと、「欠勤扱いにする」と告げられた。車で1時間半かけて通勤するが、「立ち仕事なので通勤時間が増えるのはしんどい」と漏らす。現在、出向命令の無効を求めて仙台地裁で労働審判中だ。

▲社長は大幅報酬増に

 執拗(しつよう)な退職勧奨や強制出向についてソニー労組仙台支部の松田隆明委員長は「労働者の同意のない強制出向は人権問題だ。『強制労働の禁止』を定めたソニーの行動規範にも反する」と批判する。

 ソニーは昨年4月にグループ全体で1万人の削減目標を掲げ、仙台テックでは震災前1400人いた従業員が600人に減少。豊里では過剰なリストラで人手不足に陥ったため、「穴埋めとして強制出向が行われている」と実情を語る。

 雇用だけでなく、今年の一時金は史上最低水準の年間3・6カ月まで減らされた。一方、平井一夫社長の報酬は前年比7500万円増の1億9000万円。昨年度の決算も黒字を確保した。松田委員長は経営陣にこう苦言を呈する。

 「人減らしと一時金減額の一方で、社長だけが大幅な賃上げ。『不景気の被害を労働者だけに負わせない』という創業者の精神は一体どこに行ったのか」。

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