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2013年10月21日

「政府は貧困問題に向き合え」
反貧困ネット

生きづらい社会の現実訴え


 反貧困ネットワーク(代表 宇都宮健児弁護士)は10月14日、都内で貧困について考える集会を開き、約300人が参加した。宇都宮代表は「アベノミクスによる景気回復の実感はなく、2020年東京五輪の熱狂の中で福島の原発問題や貧困と格差が忘れ去られることを一番危惧している」と語り、政府を貧困問題と向き合わせるために声を上げようと呼び掛けた。
 貧困の当事者たちが生きづらい現状を語った。

▲「孤立の中の貧困知って」/性的少数者

 「セクシャルマイノリティー(性的少数者)は孤立しやすく、貧困に陥る」。こう語るのは、都内在住の同性愛者の内海章友さん。周囲の偏見で性的志向を明かせず貧困に追い込まれた体験を話した。

 大学卒業後、福島県内で地方公務員に。仕事は楽しく、上司も面倒見のよい人だった。しかし職場は「男は結婚して一人前」という中で見合いの誘いを断り続けると、「オカマだ」とののしられ始めた。耐え切れず2年で退職。以後、職を転々とすることになった。

 内海さんは現在、家族や友人に同性愛者であることを告白。社団法人で電話相談の仕事をしている。周りの無理解から自殺未遂やうつ病を患って失業し、貧困状態に陥るセクシャルマイノリティーは少なくないという。「もし役所時代に話せていれば、人生が変わっていたかもしれない。異性愛とは異なる人たちが身辺にいることを知ってほしい」と語った。

▲夜の仕事でも月8万円/シングルマザー

 沖縄に住む20歳代のシングルマザーの女性は、週数回、キャバクラで働いている。「昼の仕事は最低賃金(時給653円)水準で生活できないため」と話す。

 仕事は5時間勤務で時給1800円。その間の保育代や往復のタクシー代2400円、美容院代1000円を引くと、月の手取りは8~9万円。「夜の仕事も昼間とさほど変わらない」と嘆く。

 女性の学歴は中卒。将来への不安を隠さない。「私のような学のない人間が最後に行き着くのは場末のスナック。日当が500円のところもある」と明かす。

 こうした現状から抜け出そうと、定時制高校に通いながら大学進学をめざしている。「このままでは子どもまで貧困になる。誰もがいつでも環境に左右されないで、やり直せる社会にしたい」と訴えた。 

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