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2013年10月31日

日航「整理解雇」裁判が大詰め
原告団が都内集会

12月結審、年度内にも判決へ

 日本航空の「整理解雇」撤回裁判が大詰めを迎えている。東京高裁で行われている控訴審は客室乗務員が12月24日、パイロットが同26日に結審し、年度内にも判決が出る見通しだ。10月25日に都内で開かれた集会で原告団141人は、解雇撤回の決意を固め合った。

▲控訴審で会社反論できず

 「解雇前に会社が目標としていた人員体制は超過達成されていたことを明らかにした」。集会冒頭に控訴審の成果を報告した上条貞夫弁護団長は、会場を埋めた支援者ら1790人を前にこうアピールした。

 高裁では、職種別の適正人員数を詳細に記した新たな会社側資料を元に、2010年末に行われた165人の解雇は必要なかったことを立証した。一審の東京地裁は、日航が計画を上回る営業利益を達成していても、会社更生法の適用を理由に「二次破綻を避けるために解雇はやむを得なかった」と請求を棄却していたが、高裁では「会社側は数字を挙げて反論できなかった」(上条弁護団長)。

 さらに組合の一時帰休提案が無視され、組合員を狙い撃ちにした乗務外し、スト権投票への介入など不当労働行為が相次ぐ中で解雇が強行されたことを当事者が証人尋問で強調。「もの言う組合の徹底的排除を狙ったもの」(同)だったことを明らかにした。

▲判決、倍々返しする

 しかし高裁判決は予断を許さない。当時の経営最高責任者の稲盛和夫氏が会見と一審の証人尋問で「解雇の必要性はなかった」と述べたが、地裁は「心情の吐露」で片付けた。安倍政権が解雇ルールの緩和をめざすなか、再び棄却となれば整理解雇の要件を緩める突破口になりかねない。

 パイロット原告の山口宏弥団長は、争議が「安倍政権の雇用破壊を許さない闘いの一つ」だと位置付けた上で、「高裁で何としても前進を勝ち取らなければならない」と語った。

 労使交渉に向けた努力も進む。昨年6月、国際労働機関(ILO)が日本政府に対し労使の話し合いを促すよう求めた勧告について当初は「裁判を見守る」としていた政府は「適切に対応する」に変化。日航も「勧告は政府に出されたもの」から「要請があれば聞く」に変わったという。

 客室乗務員原告の内田妙子団長は「雇用破壊に対し反撃の一歩となるよう地裁判決に倍々返しする」と決意を表明。原告団は今後、街頭宣伝やデモに集中して取り組む構えだ。

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