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2013年 3月 1日

デフレ悪循環断ち切る春闘に
この15年間で賃金が15%減した日本 

賃上げの必要性政府も認める 

 給与や営業収入の減少が経済を冷え込ませ、さらに所得が低下――。「デフレの悪循環」に日本経済は20年近く苦しんでいます。解消するには、給与を上げるの一手です。 

▼ 競争力強めるなら賃上げを/エコノミストもエール

 「賃金を上げることで付加価値(企業が提供する製品やサービスの価値)を生み出す力をつけていかなければならない」。日本総研の山田久チーフエコノミストは、厳しい国際競争の渦中にある企業こそ賃上げが必要と指摘します。

 日本はこの15年間、労働生産性の上昇に反して、賃金が約15%も減少してきました。経済全体の収益力が上がっているのに、働く人への配分がおろそかにされてきたということ。図のように、欧米と比べると日本の特異さが際立ちます。

 会社の業績は向上しているのに賃金は上がらない――では、士気の低下を招くのは当然。特に、非正規労働を安易に増やし人件費を削ってきた企業は、厳しい競争に対応する力の低下は避けられません。

 また、健全な経営のためにも賃上げは必要と説きます。「働く者への分配が下がると、財テクや豪華社屋の建設といった無駄な投資に走りがちで、経営がおかしくなる。賃金と生産性のバランスは極めて大事」

▼頑張る中小労組/「大手に任せていられない」

 自動車などの大手メーカー労組は今年も、従業員全体の賃金を引き上げるベースアップ(ベア)を見送りましたが、中小企業の労組は積極的にベアを求めています。

 トヨタ系の販売会社労組でつくる「全トヨタ販売労働組合連合会」は今年、ベアを含む賃金改善を統一して要求する方針を決めました。関係者は「新車販売依存から、車検や保険、周辺機器サービスにシフトするなど働き方の質が変わってきた。従業員の頑張り分への配分を求めたものだ」と語ります。「もう大手に任せてはいられない」という動きといえそうです。

▼ドイツのように闘おう/アベノミクスをチャンスに

 安倍政権は参院選と消費増税を見据え、「報酬増」を財界に求める異例の要請を行いました。デフレ解消には賃上げが必要と政府自身が認めたもので、「アベノミクスはチャンス」と山田チーフエコノミストはエールを送ります。

 他の先進国の労組は国際競争を理由に、大人しくはしていません。ドイツ労働総同盟(DGB)の役員はこのほど来日して次のように語りました。「輸出超過のドイツは賃上げで内需を高めなければならない。金属や化学の関係では2年間で6・5%の賃上げを要求し交渉している」

 高い賃金水準を誇るドイツでも労組が賃上げをかち取ることで、国内経済を支え職場の活力を維持しているということ。日本も見習いたいものです。

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