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2013年 5月 2日

判決直前に2度目の解雇
ブルームバーグ事件

悪質な争議引き延ばしか  

 外資系通信社ブルームバーグの解雇裁判が長期化する可能性が出てきた。東京高裁(坂井満裁判長)は4月24日、東京支局の記者だった男性(51)の解雇無効を命じたが、会社は判決が出る直前の3月1日付で「復職の和解に応じなかった」として、2度目の解雇を行ったためだ。

 男性は2009年12月から「業績改善プラン(PIP)」を3カ月連続で受け、独自取材の記事を週1本提出するなどの達成困難なノルマを課され、10年8月に「能力不足」を理由に解雇された。一審の東京地裁は「解雇をするほどの重大な過失はない」と認め、昨年10月に解雇無効を命じた。二審の高裁もこの判断を維持し、「記事の本数はほかの記者と比べても遜色がない」として会社側の主張を全面的に退けた。

▼新聞労連「再解雇は無効」

 ところが、会社は今年1月に高裁が結審すると「備品管理業務での復職に応じる」という和解案を提示。男性側が拒否すると、3月1日に通告すると同時に解雇に踏み切った。高裁判決による解雇無効の判断は、結審以前の出来事が対象となるため、「再解雇」を取り消すには法律上、男性側が再び地位確認を求める裁判を起こす必要がある。会社側には、男性を復職させないように争議を引き延ばす狙いがあるとみられる。

 裁判を支援する新聞労連の日比野敏陽委員長は「男性はもともとブルームバーグと記者職限定の労働契約を結んでおり、高裁もその地位を確認した。和解での管理業務は全く別の労働契約であり、再解雇の主張は認められない」と強く抗議している。男性は「無謀なやり方で解雇するのはやめてほしい」と語り、記者として早期の職場復帰を望んでいる。

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