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2013年11月19日

2交替病棟が3割へ増加
医労連の夜勤実態調て

「健康に有害、看過できない」 

 日本医労連(17万2000人・山田真巳子委員長)はこのほど、長時間夜勤を伴う「2交替制勤務」を導入する病棟の割合が約3割で過去最高になったとする調査結果を発表した。人員のやりくりがしやすく、人件費を抑えられるためとみられる。医労連は、長時間夜勤が健康上のリスクを高めるとともに、注意力低下によって医療サービスを損ねることにもなりかねないと、警戒を強めている。

▲16時間以上は約6割

 調査は毎年行っているもので、今年は6月、447施設・3427職場(看護要員12万9700人)の勤務実績をまとめた。

 医労連が強調するポイントは、2交替制勤務の導入割合。過去最高を記録した昨年を上回り、29・4%に上ったことだ。

 2000年代前半はひとケタの割合で推移していたのが、患者7人に対し看護師1人を配置する「7対1看護」が06年度の診療報酬改定で導入されて以降、その割合は年々増加。10年には2割を突破し、今回ほぼ3割となった。

 2交替制勤務は、準夜勤(夕方から深夜まで)と深夜勤を連続させるため、夕方から翌朝まで働くことになる。そのうち勤務時間が16時間以上という病棟が約6割を数えた。

 経営側からみれば、3交替制と比べて割増手当が発生しにくく、人件費を抑えやすいということや、人員のやりくりをしやすいという利点があるという。

 まとまった休日をとれるため、導入を望む声も主に若年層にはあるというが、山田委員長は「長時間の夜勤は、女性ならば乳がん、男性ならば前立腺がんの発症リスクが高まる。労組としては看過できない。健康への有害性と併せ、長時間の夜勤では飲酒後と同じような注意力や集中力になってしまう」と警告する。

 先進国で16時間夜勤を導入している国はなく、「外国で日本の制度を説明すると、『クレイジー(正気の沙汰ではない)』と驚かれる」という。

▲国際水準の法整備求める

 看護師確保法・基本指針に抵触する夜勤回数(2交替制では月4・5回、3交替制は9回)以上の割合は2交替の病床で35%に上った。指針違反の割合は、3交替制の病棟(25%)より高い。夜勤では病棟あたりの配置人数を増やす傾向にあるが、看護師総数は増えていないため、その分、一人当たりの夜勤回数を増やすことで対応しているとみられる。

 過酷な夜勤は看護師の離職を促し、それがさらに要員不足を引き起こす悪循環を生じさせてきた。そのため、医労連はILO(国際労働機関)条約看護職員条約・勧告の水準((1)1日の労働時間は8時間以内(2)時間外を含めても12時間以内(3)勤務間隔は少なくとも連続12時間以上)での国内法の整備を訴えていくとしている。

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