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2012年 1月23日更新

「国に言ってもどうにもならない」継続的な協力・支援を
自治労連介護退散委員会が岩手で懇談
 
仮設住宅自治会・ 社会福祉協議会と

 自治労連介護対策委員会は1月12日~13日、岩手県大船渡市で仮設住宅自治会・ 社会福祉協議会と懇談しました。

▼仮設住宅自治会の方たちとの懇談

 地ノ森仮設住宅自治会の方たち11人が身を切るような風が吹く中、参加いただき、介護対策委員の質問に、「1人暮らしでも、6人家族でも同じく四畳半の畳しか与えられない」「テレビも1台なので、孫とのチャンネル争いがおきている」「もう少し軒先が長ければ、自転車が濡れなくて済むのに」「暖房器具としてホットカーペットが支給されたが電気代が気になって使っていない」など、悩みが次々に吐露されました。

 一方で、こんなに苦労しているにも関わらず、「みんな大変だから我慢もしなきゃ」という声もあり、雪国、東北人ならではの辛抱強さが、逆に胸を締め付けます。「国に言ってもどうにもならない」とあきらめの声も。

 自治会長は、「行政は縦割りで、溝があり疎通もない。市、県、国と行くほど関わりが遠くなる」とこぼし、保健師も含めた継続的な協力・支援体制の必要性を訴えました。

▼社会福祉協議会との懇談

 大船渡社会福祉協議会では、事務局長を含む5人と懇談。大会議場は、3.11以降の4月の大余震で天井は落ち、壁には亀裂がはいっており無残な状態のままでした。自らも被災し、仮設住宅に住む及川業務課長からは、3.11東日本大震災直後から、ボランティアセンターを立ち上げ尽力してきた経緯、苦労が語られました。介護利用者は震災の影響で一時期減ったものの、現在は震災前の利用まで回復しており、来年度ボランティアを継続するためには、人的支援が必要だと語りました。「災害ボランティアセンター」も「復興ボランティアセンター」と名を変え、瓦礫や、一般住宅の床下の泥などの除去はほぼ終わっており、昼夜を問わず復興にあたってきた職員も、ようやく休めるようになってきたとのこと。ボランティアも今後は、仮設住宅をたずねての料理や、もちつきなど、ソフトの面で何ができるかを考えていくことが大事だと語りました。

 ヘルパー主任からは、震災当時の状況として「首まで水に浸かったが、高台へ車いすの利用者を運んだ。彼女はその後、自らの危険を顧みず、再び救援のために戻った」「自宅へ連れ帰って一昼夜利用者といっしょに過ごした方もいた」「次の日から支援物資が届き配った。行方不明の利用者は、避難しており、人を探すのが大変だった」など、通信が遮断され、自主的判断を余儀なくされた中でも、献身的に職務を全うしたヘルパーの姿が切々と語られました。

 その後、岩手自治労連介護関係職員労働組合大船渡社協分会の方と懇談し、震災後10カ月たっての思いを話していただきました。

 被災当時はなんともなかった事が、人に出会うと涙がとまらなくなるなど心的外傷後ストレス障害がおきていることや、支援物資が、必要なものが必要な人に届いていない実態が語られました。

 今回の懇談を通じて、構造改革や市町村合併で小さな自治体やとりわけ山間地域に医療や福祉のひずみやしわ寄せがきている実態と、3.11東日本大震災でさらに、その困難さが増した現状を垣間見ることができました。介護対策委員会として、政策提言や各省庁との交渉を通じ、住みやすく、住み続けたい地域の復興・再生ができるように支援していくことが求められています。                                               


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