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2012年 5月10日

全原発がとまった 
「原発ゼロの日」各地で集会

再稼働前提で動く政府 

 5月5日深夜に国内すべての原発が停止したことを受けて、全国各地で脱原発のデモ集会が開かれた。参加者からは「今の状態を永遠に続けてほしい」という声が相次いだ。

▼子どもへのプレゼント

 東京・芝公園では5日昼に「さようなら原発1000万人アクション」によるデモ集会が催され、市民や労組などから約5500人が参加した。

 アクションの呼びかけ人である著名人らがあいさつ。ルポライターの鎌田慧さんは「脱原発は可能だと、政府にたたきつければ政策は変わる。今は鬼籍に入った全国の反原発活動家や、原発立地の人たち、福島の子どもたちの思いを共有し、これからも頑張ろう」と声を張り上げた。

 主催者は当日が「こどもの日」であることから、「子どもたちに脱原発をプレゼントしよう」と小型のこいのぼりを用意した。参加者たちは呼びかけ人や福島の女性たちの発言にこいのぼりを振って応え、その後のデモでも手に掲げながら街頭アピール。東京・大田区から来た会社員男性(46)は「(経産相の)枝野さんは『原発は一瞬ゼロ』と言ったが、ずっとゼロにしなくては」と話していた。

▼お祝いのデモも

 東京・杉並区では5月6日、「祝・全原発停止」を掲げた市民の集会とデモが行われた。豪雨のなか、約4000人がにぎやかに街へ繰り出した。

 「脱原発杉並」などの市民グループが呼びかけた。集会会場の蚕糸の森公園には、紅白の幕が張り巡らされ、「素人の乱」の松本哉さんは紋付きはかま姿で参加。全原発停止について、「現時点では私たちの勝ち」と述べた。ピエロの仮装や着ぐるみで参加した若者も多く、デモでは「原発止めたぞ」「もう動かすな」とアピールしていた。

原発全停止/本当の脱原発社会の始まりに

 北海道電力泊原発3号機が5月5日午後11時3分に定期検査で止まり、国内の原発が1970年以来、42年ぶりにすべて停止した。基幹電力とされてきた原子力が出力ゼロになった背景には、福島第一の事故状況が首相の収束宣言とは裏腹に不安定なのに、政府や電力業界が原発再稼働をごり押ししようとしたことがある。

 これに対し、市民団体が粘り強く反対運動を続けた結果、周辺自治体だけでなく立地県の首長や議会からも再稼働に異議が上がり、経済界でも中小企業を中心に脱原発の主張が広がった。「子どもの被曝を防げ」「安全に処理できない放射性廃棄物を増やすな」などと、世論に政策の誤りを訴えれば、政権の思惑通りにはならないことを証明した。

▼政策の混同を正そう

 ただ、今の全停止はあくまで再稼働が前提だ。政府は根拠の怪しい「電力不足」を挙げて再稼働させる線を捨てておらず、国会で原子力規制庁の設置法案が可決されればもっと前のめりになるだろう。

 一方、政府は4月に再生可能エネルギー促進に向けた103項目の規制緩和を閣議決定。7月には再生エネの買い取り制度が始まる。脱原発の実現へ歩み出しているのも確かだ。今後はこうした取り組みを進めるよう求めていくことが大切になるとともに、立地地域に根強い原発停止による雇用や経済への懸念をどう取り除くのかを真剣に考えていく必要がある。          


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