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政府はますます信用失った |
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拙い対応を連発、実行に不安大 |
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今後のエネルギー政策についての意見聴取会を傍聴した。枝野幸男経済産業相は「多くの方から意見をいただきたい」とあいさつしたが、実際は「国民の声を聞いた」というアリバイづくりがみえみえ。政府の信用は地に落ちつつある。 ▼3日前でも「時間未定」 記者が傍聴したのは、7月14日のさいたま市での聴取会だ。政府はメディアにも11日までの事前申し込みを求めてきたが、締め切りを過ぎても開催時間は「未定」。その後も時間決定のメール連絡は一切なく、ホームページで確かめた。 当日に会場へ行くと、入り口で警備員からカバンから携帯電話や金属類の取り出しを促され、検査機をくぐるように求められた。空港のセキュリティーチェックも顔負け。申し込んでいるので、参加者の素性は分かっているはずだが…。 聴取会では、前出の経産相発言を受けて、資源エネルギー庁の高原一郎長官がエネルギー政策の3つの選択肢を説明した。その3案を2030年時点の原発比率で見ると、(1)0%(完全な脱原発)(2)15%(一定維持)(3)20~25%(現状維持)である。ただし、説明は10分間しかなく、そのせいか長官も早口。聞き取りには苦労させられた。 そして、司会者いわく「コンピューターで選んだ」という9人が壇上から意見を明かした。 「再処理工場が建つ下北半島に実家がある。核のゴミの問題が解決していないので原発稼働はダメ」(40歳代・女性会社員)とか、「風や太陽任せでよいならば、停電や電気料金値上げに文句を言うな」(60歳代・元エンジニア)などと意見は割れた。9人の発言内容を選択肢で分けると、(1)3人(2)4人(3)2人。一方、会場から大きな拍手が起こっていたのは、(1)の意見を述べた人に対してだった。 ▼経産相は自画自賛 その後、会場から質問を受け付けて主催者側が答えるのかと思いきや、それどころか9人と政府側とのやり取りさえなし。再び壇上に登った経産相が「いろんな意見を同時に聴くことに意義がある」と自画自賛すると、司会者は終わりを告げようとした。 これには、さすがに参加者の不満が爆発。立ち上がって批判する人や、「俺たちはここでしか意見を言えないんだ!」という怒声が響いたが、経産相は「アンケートは読ませてもらう」と言って、その場を切り抜けた。開催時間は約110分だった。 ▼政策決定以前の問題だ 聴取会は15日に仙台、16日に名古屋で開かれたが、電力会社の社員が意見表明したことで混乱した。政府は残る8回の会合では電力会社関係者を表明者から除くことにしたが、遅きに失したであろう。 お粗末な対応を繰り返すさまは、政策を決める以前の問題だ。政府は8月にもエネルギー政策を固めるそうだが、何を選択しても実行は伴いそうにない。(連合通信) |
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