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2012年 8月 6日

核兵器や原発なくす運動前進へ 
原水禁2012年世界大会

広島で国際会議始まる   

 「原水爆禁止2012年世界大会」の冒頭を飾る国際会議が8月2日、広島市内で始まった。4日までの3日間で「核兵器のない平和で公正な世界」の実現に向けた運動のあり方が話し合われる。今年の海外ゲストは、20カ国から政府やNGOの代表ら64人だ。

 2日の開会総会には約220人が参加し、日本原水協の沢田昭二理事は「核兵器や原発がなく、放射線にも脅かされない世界をめざす運動の前進が打ち出されることを期待します」とあいさつ。マレーシアやメキシコの元首からのメッセージも紹介された。

▼日本の「変化」を報告

 その後は「核兵器禁止条約の交渉開始」「反戦平和と暮らし、環境・エネルギー問題」「被爆者援護・連帯、放射線被害の根絶」などのテーマで、3日の分科会にかけて発言や討議が行われた。このうち、国内のスピーカーからは、核兵器禁止条約の交渉開始を求める国連決議に16年連続で棄権している日本政府への批判が続出。大飯原発の再稼働を機に急拡大した脱原発デモが野田政権を追い詰めている状況について、「一人一人の市民の行動が変化を生み出している」(原水協の安井正和事務局長)と、海外ゲストに伝えられる場面も見られた。

 国際会議は最終日の4日に宣言を出す予定だ。同日には広島大会が開会し、5日の分科会を経た後、6日の閉会総会を迎える。(主な海外ゲストの発言は次ページから紹介)

〈原水禁世界大会国際会議から〉「ドイツは核兵器と原発から撤退」国際反核法律家協会 ピーター・ベッカーさん

 ドイツの空軍基地には米国の核兵器が装備され、ドイツ軍兵士が爆弾の投下訓練を行っています。
 憲法25条は「国際法の一般原則は国内法になる」と定めています。国連憲章の「武力行使禁止」や国際司法裁判所が「核兵器の使用及び威かくは違法」とした判断は、一般原則にあたる。国は核戦争遂行を禁じられているため、われわれは政府を提訴しました。

▼フクシマが決めさせた

 ドイツでは2002年に原発撤退法が打ち出されたのに、10年に運転延長を決めました。これに対し、5つの州が裁判所に提訴していたところ、福島第一原発が爆発したのです。

 首相が設けた倫理委員会は、1カ月の討議を経て撤退法に立ち戻るよう勧告しました。6月には連邦議会も同意し、最長でも2022年までにすべての原発が廃炉されることになりました。

 この決定は、すでに再生可能エネルギー促進法ができていたからこそ可能でした。2050年には全電源の8割が再生エネから供給される見通しで、私は実現すると確信しています。

「グアムに基地はいらない」NGO「我らグアム人」 カラ・フローレンス―メイズさん

 グアムは米軍基地が島の28%を支配しています。国防省によれば、基地の経済的価値は70億ドルあるそうですが、グアム政府は教育や医療の提供に四苦八苦しています。グアムの軍入隊率と死亡率はどの州よりも高い。愛国心を持っているのに土地や暮らしや生活の質だけでなく、人間の尊厳も失いました。

 さらに基地の大幅増強が計画中です。原子力空母受け入れにサンゴ礁や森林を壊し、海兵隊8000人を沖縄から移転させるというのです。しかし、コストは当初見積もりから倍の240億ドルに上ります。

▼日本の財政負担に疑問

 このお金を基地以外に回せば農業や教育は充実し、グアム社会は大きく変わる。私は先住民チャモロ族ですが、消えてゆく言語を復活させ、祖父母の記念碑も建てられるかもしれません。

 日米両政府は計画でセットだったグアムの兵力増強と普天間基地閉鎖を切り離すことで合意し、日本側はさらに30億ドルの負担を求められています。普天間と関係ないグアムの基地から沖縄や日本の人々はどんな利益を得られるのか。そのお金は日本国民の病院や学校に使うべきです。

「非核の北東アジアを」韓国・参与連帯 キム・フイスンさん

 北朝鮮の核問題を解決するための6カ国協議は、2009年から開催されていません。協議に参加している米国や日本、韓国などは核抑止力政策を放棄しようとせず、韓国と米国はさらに「核の傘政策」を強化していますが、これでは別の核の脅威を生むだけ。「非核の北東アジア」という新しい実現可能なアプローチが必要です。
 すなわち、北朝鮮、韓国、日本が核兵器保有を放棄し、米国、ロシア、中国がそれらの国々に消極的安全保障(核兵器を持たない国には核兵器を使わないこと)を約束することです。

「核汚染の故郷に帰れず」ロンゲラップ島民 アンジャインさん

 「人間の幸福のため」と行われた米国核実験で(マーシャル諸島の)ロンゲラップ島は汚され、島民は故郷を離れざるを得ませんでした。仕事も見つからず、米国からの補償金に頼って生活しています。
 米議会は2010年に島民を戻すよう求め、政府も帰島しなければ補償しないと脅します。科学者は「安全」としていますが、なぜ「食料の7割は外から持ち込んだものを食べろ」と言うのか。1957年に島民が戻されて病気になったことを繰り返したくありません。私たちがどれだけ苦しみに毎日直面しているかを世界に知らせてください。
                                                      

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