大飯原発３、４号機のストレステスト１次評価を確認する原子力安全委員会の第２回検討会が２月29日に開かれた。テストを「妥当」とする原子力安全・保安院の幹部は「（原発がある）若狭湾で大地震が起きないと鑑みて審査した」と説明。16世紀に起きた天正地震で若狭湾を大津波が襲ったとする古文書との食い違いに、傍聴者からは「いい加減」と声が上がった。 　保安院が１月に開いた「地震と津波の意見聴取会」では古文書の件が指摘されて、福井県に原発を持つ関西電力などが若狭湾の津波堆積物の追加調査を始めたばかりだ。 ▼不十分な１次評価 　この日の検討会でも前回同様、安全委委員や有識者が保安院の審査に対して質問した。日本原子力研究開発機構の更田豊志氏が「３、４号機が同じ地震余裕度を持つというが、３号機だけがメルトダウンした場合は想定したか」と問うと、保安院は「２次評価に譲る」と回避。ほかの質問でもこの答えを連発した。 　１次評価は設計段階や「安全対策」を踏まえた地震や津波の耐性を見るのに対し、２次評価は自然災害以外も含めた原因が引き起こす重大事故の可能性を探る。だが、２次について保安院は電力会社に昨年末の提出を求めたにもかかわらず、現在もゼロ回答だ。 　安全委は今後、検討会を週１回のペースで開くとみられる。環境省の外局に編入される前の３月中に確認作業を終える意向だ。
－府職労ニュースインデックスへ－