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被災地の失業手当は延長を |
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「十分な仕事がない実態見て!」 |
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東日本大震災で被害を受けた東北3県で雇用保険の失業手当が切れる被災者が2月までに最大約4000人に上るという。この問題で、労働組合などでつくる「災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会(全国災対連)」は1月24日、厚生労働省に失業手当の延長を要請した。厚労省側は「今後は生活保障より雇用の場をつくることが重要だ」と難色を示した。 政府は、震災で失業した場合の失業手当については、これまで延長措置を3回実施しているが、今年1月以降は再延長を行わない方針だ。一方、被災地では仕事があっても低賃金で生活できないなどの理由で就職が困難なケースが多い。 厚労省の担当者は「事業者から『失業手当があるため応募が少ない』という声もある。手当が切れてもつなぎの雇用や求職者支援制度などを活用して働いてほしい」と理解を求めた。 ▼働きたくても働けない/被災地の労組役員語る 全国災対連の要請には岩手、宮城、福島の県労連議長が参加し、被災地で働きたくても低賃金や先行きの不安などに頭を抱える被災者の実態を訴えた。 「被災者が震災以前に働いていた水産業で仕事を探しても、求人がない」。こう話すのは、宮城県労連の鈴木新議長。昨年11月時点の県内求人状況は、ガレキの撤去など建設業の新規求人数が2261人で、前年同月比で約2・5倍になった。一方、壊滅的被害を受けた女川や石巻など沿岸部の水産加工工場はほとんどが再開のメドが立っておらず、「地元で仕事は見つからないのが実態だ」と語る。 震災後に急増した建設業は人手不足だが、賃金が低い。多重下請けが原因で工賃のピンハネが行われ、日当6000円で失業手当を下回るケースも。福島県労連の斎藤富春議長は「月10数万円の収入では家族も養えない。仕事があれば何でもいいわけではない」と嘆く。 ▼被災者の思い大切にして 少しでも条件に合う求人を探すと、沿岸部での生活再建をあきらめて内陸部や県外での就職を選択せざるを得なくなる。宮城県内で今春卒業予定の高校生の場合、県外での就職内定者が前年同期比で46・4%も増えた。鈴木新議長は「被災者は地元志向が強いものの、国や自治体の復興計画が遅れており、展望が見えない。今、失業手当を打ち切ることが適当なのか」と疑問を投げかける。 いわて労連の鈴木露通議長は「沿岸部で仕事を再開したい人は失業手当に頼らざるを得ない。国は地元に残って働きたいという被災者の思いを大切にして」と述べ、被災者目線で支援を行うべきだと指摘する。 ▼事業再開まで延長を 沿岸部では今後、本格的な事業再開が見込まれている。昨年11月に可決した3次補正予算は、中小企業などに対し、再建のための融資経費として6716億円を計上。被災地では復興機運が高まっている。鈴木新議長は「事業再開が決まっても工場はすぐに建たない。事業再開のタイムラグを埋めるまで失業手当を延長すべき」と要望する。 全国災対連の中山益則事務局長は「沿岸部の被災地では、まだまだつなぎの雇用しかない段階で、ここで失業手当が切れれば失望感を与えることになる。国や自治体は、被災者を生活保護にではなく、復興に向かわせるべきだ」と語った。 |
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