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政府こそ「再稼働なし」を貫け |
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需給対策取らず怠慢だ |
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政府は5月18日、「今夏の電力需給が不足する」との見通しを示したうえで、7月2日から9月7日までの間、全国の企業や家庭に節電を求める計画を決めました。 見通しによれば、「14・9%分の445万kW(キロワット)が不足」という関西電力をはじめ、北海道、九州の計3社の電力供給が需要を下回るそうです。関西で15%、九州で10%、北海道で7%の節電が必要としています。 中部、北陸、中国、四国も、関西などへ融通する目的で5~7%の節電が求められます。政府は、供給に余裕がある東北や東京も数値目標なしで節電を要請。関西など4社は計画停電も準備しますが、昨年夏に政府が出した電気事業法に基づいて節電を義務付ける「電力使用制限令」は見送られました。 ▼需給見積もりで信用失墜 政府は4月から国家戦略室で計6回の検討会合を開き、需給の実態を調べてきました。これまで経済産業省が電力会社の言い値ばかりを示してきたからですが、やはり信頼は得られそうにありません。 検討を始めた当初、政府と関西電は「大飯原発(福井県)が再稼働しても供給が足りない」と主張しました。ところがその計算が、記録的猛暑だった2010年を想定した過大な需要見積もりと、昨年と同じように火力発電所が故障するなどとした過小な供給量に基づいていたため、各方面から問題点を指摘されました。 すると、5月10日になって「再稼働すれば電力不足は避けられる」と変節。その後、仮に5月末に再稼働を判断しても、準備に約6週間もかかり、需要がピークに入る時期までにフル出力できないことが分かりました。でたらめです。 ▼努力は企業と家庭ばかり 昨夏、企業と家庭はあらゆる工夫を凝らして節電に努め、東京電力管内では使用電力を前年比18%減(1078万kW)まで抑えました。福島原発事故の悪影響が続いて、脱原発や再稼働反対の声が強まるなか、この夏は政府と電力業界が世論を踏まえた現実的な電力需給対策を講じる番だったはずです。 しかし、政府は「再稼働しないと火力発電のコストが高騰し、経済にマイナスを及ぼす」などと脅し続ける一方、原発停止による雇用減を心配する立地地域にこれといった対策を打っていません。電力業界も、火力の燃料を高値が続く石油からガスに切り替えたり、需要ピーク時に電力使用量を自動的に抑える仕組みを導入するなどの手立てを取ろうとしませんでした。 ▼言い訳や無理強いやめて エネルギー政策の責任者である枝野幸男経産相は「原子力政策が決まっていない段階で電力会社に(他の発電)設備投資を強いることはできない」と弁解していますが、これを怠慢と呼ばずにどのような言い方ができるのでしょう。 いずれにしても、今回の節電計画は「原発ゼロ」を前提にしています。政府は今なお免震棟も防潮堤すら建っていない大飯原発を再稼働させようと躍起ですが、せめて自らつくった計画は実行する覚悟を持ってほしいものです。 |
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