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2012年 2月 2日

再生可能エネ市場は世界で急成長中
 日本の経済界も参入

洋上での風力発電の研究開発も 

 再生可能な自然エネルギーの市場を狙う企業が相次いでいる。政府が原子力発電所の稼動を「原則40年」とする法案を提出し、原子力産業の将来が暗くなる一方、再生可能エネ市場は世界で急成長中。各企業はこの情勢を見て、新たなビジネスをつかもうとしている。

▼原発メーカーも

 電機大手で原発も手掛けてきた東芝は1月、米国での「スマートホーム」事業に参入すると発表した。スマートホームとは、住宅の消費電力をコンピューターで管理して省エネを実現することで、太陽光パネルや蓄電池も電源に使う。
 東芝は全米100万世帯に機器を売ることをめざし、「15年度の同事業の売上高(日本を含む全世界)9000億円」を見込む。同じく原発メーカーの日立製作所もこの事業の参入を急ぎ、15年度に現在の5割増となる3500億円の売り上げを狙う。 

▼新型の太陽電池開発

 総合化学大手の三菱ケミカルホールディングスは、既存の太陽電池よりも重さが10分の1以下となる製品の開発に成功した。同社は2013年にも新型電池を組み込んだ外壁材を発売し、高層ビルやマンションに普及させる計画。屋根だけでなく壁も発電に使えるため、太陽光の発電量が全国で大幅に増えそうだ。

▼地域での普及サポート

 大手商社・伊藤忠グループのIT企業「伊藤忠テクノソリューションズ」は昨年12月から、自治体向けに地域の自然エネルギー発電量を容易に計算できるシステムを発売している。

 コンピューター上の地図に、太陽光パネルや風車を置く場所を入力すれば、日照時間や風量などを予測して年間発電量を割り出すことができる。同社は「今夏に始まる固定価格買い取り制度で地域の再生エネの活用が見込まれる」とみており、3年間で10億円を売り上げるのが目標だ。

 造船・重機大手の三井造船は、スーパーゼネコンの清水建設などと協力して洋上での風力発電の研究開発を進めている。

 同社によると、洋上は陸上よりも風速が強く風力発電に向いているが、日本は浅瀬が少ないため、海底が深くても風車を置ける「浮体式」の性能を高める必要があるという。同社は波の動きを利用する「波力発電」の研究も進めている。

▼電力業界改革をにらむ

 各社が再生エネ事業を強化するのは、2010年の世界の再生エネ市場への投資が2・5兆円に上るなど、市場が今後急成長することが確実だからだ。国内を見ても、政府が地域独占の電力業界を見直す検討を始めた。実現すれば、電力会社以外にも参入のチャンスが膨らむという事情も企業を後押ししている。


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