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クラフトビール店が出店ラッシュ |
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世界的消費者運動が背景に |
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2012年は「クラフトビール」を出すビールバーの出店が相次いだ年でした。正確な数字はつかめませんが、大都市圏を中心に数十店は下らないようです。 「クラフトビール」は最近使われ始めた言い方で、かつての「地ビール」と理解するとわかりやすいでしょう。 「地ビールはいわば、観光地のおみやげのような感覚でつくられ始めたんですが、今とても品質が向上しています。いいビールをつくろうと研究に余念のない作り手が増えてきました」と話すのは、東京・池袋にあるビールバー「カムデンタウン」の店長、伊藤瑞希さん。同店としても一昨年、同じ池袋に新店「カムデン」をオープンさせたばかり。本場のイギリスやアメリカなどのクラフトビールにも力を入れています。コンセプトは「先進的なビール」(伊藤さん)です。 ▼多種多様なビールの世界 「先進的」とはどんなビールなのでしょうか。アルコール度数を10%以上にまで高めたビールをウイスキーやワインの樽を2次使用して熟成させると、芳醇でコクのあるものに仕上がります。同店では、こうしたビールを積極的に選んで置いています。 麦やホップの種類、焙煎や発酵の方法によってビールの味わいは大きく変わります。日本ではピルスナーが市場シェアの99%占めますが、世界にはおよそ100種類ものビールのタイプがあるといわれます。これらをつくるほとんどが、小規模な醸造所。ここでていねいに手作りされることから「クラフト(手作り)ビール」と呼ばれるようになったのです。 ▼4人の若者が動かした ピルスナータイプのビールは品質管理が比較的しやすく、大量生産に向いています。産業革命以降の工業化の進展で、ピルスナーは世界に爆発的に広がりました。特に戦後になると、大企業による寡占化が進み、画一的な味や香りのビールばかりになってしまったのです。 イギリスではこれに疑問を投げかける人たちが現れました。パブに行っても同じようなビールしか飲めない。伝統的で味わい深いビールを復活させろと、4人の若者が消費者団体「カムラ(CAMRA=Campaign for Real Ale)」を結成。1971年のことです。 年配者にも支持を広げ、あっという間に数千人が会員に名を連ねたといいます。現在では、単一の商品ジャンルを扱う消費者運動としては世界最大の組織にまで成長しました。 ヨーロッパやアメリカにこの流れは波及していきます。とくにアメリカでは、小規模醸造所が各地に広がりました。 日本にも、94年の地ビール解禁を経て、この波がじわじわ押し寄せてきました。「観光地のみやげ」に過ぎなかった。 |
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