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2012年 5月28日

公務員賃金の大幅引き下げは憲法とILO違反 
「違憲訴訟」を提訴

国交労連が声明 

 日本国家公務員労働組合連合(国公労連)は5月25日、4月から施行された国家公務員の賃金を平均7.8%引き下げた「給与特例法」(賃下げ法)は憲法違反であるとし、「公務員賃下げ違憲訴訟」を提訴しました。

 24日の国公労連の拡大中央委員会で宮垣委員長は、公務員バッシングは貧困と格差の拡大や悪政の責任を公務員になすりつけ、財界がめざす国づくりを進めるものだと批判。賃下げ違憲訴訟は、司法に判断を求めるとともに、権利闘争を前進させ、賃下げの悪循環を断ち切る運動だと強調しました。

 賃下げが地方に実質強制されるおそれがあるもとで、自治労連としてもひと事ではありません。国公の訴訟を支援し、共同してたたかいましょう。

全国241名の組合員とともに国公労連は本日、東京地方裁判所に対し、4月から施行が強行された「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」(以下、「給与臨時特例法」)による給与カット分の返還と慰謝料の支払いを国に求める「公務員賃下げ違憲訴訟」を提訴した。

 東日本大震災では、国家公務員も不眠不休で救援と復旧復興業務にあたり、限られた予算と人員のなか、全体の奉仕者として、全国の第一線で国民の安心、安全を守るために公務・公共サービスを支えている。にもかかわらず、労働基本権制約の「代償措置」とされる人事院勧告を超えて、生活の糧である賃金を2年間にわたって平均7.8%も引き下げられることに対し、全国の職場は怒りに満ちあふれている。

           許さない!憲法とILO条約違反の公務員賃下げ
 
              ~「公務員賃下げ違憲訴訟」提訴にあたって(声明)~


 国の財政赤字は、国家公務員の人件費が原因ではない。2002年からの10年間に、自衛官を除く国家公務員は約80万人から約30万人まで減少しているが、逆に国債等残高は約525兆円から約726兆円にまで急増している。

 震災復興の財源というなら、まず、法人税の減税や証券優遇税制を中止し、政党助成金や米軍思いやり予算など不要不急の支出を見直すべきだと考える。

 国家公務員の労働基本権が不当にも制約されている現行制度では、人事院勧告が唯一の賃金決定ルールである。憲法ですべての労働者に保障された権利を制約したまま、一方的に不利益を押しつける「給与臨時特例法」は、明確に憲法とILO条約に違反する。

 加えて、政府が使用者責任を放棄し、3党による議員立法としたことで当事者に対する説明すら行わず、国家公務員労働者の基本的人権を蹂躙するものである。

 国公労連は、国家公務員の賃下げが625万人労働者をはじめ地域経済にも多大な悪影響を及ぼすこと、消費税増税と社会保障改悪など国民犠牲の突破口であることなど、国民のみなさんの理解と共同を広げる運動を引き続き強化する。

 賃下げの悪循環を断ち切り、すべての労働者の安定した雇用確保と賃金引き上げで内需拡大・景気回復をはかるとともに、公務員労働者の労働基本権の全面回復に向け、組織の総力をあげてたたかうものである。     


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