京都府職員労働組合 -自治労連-  Home 情報ボックス 府政NOW 京の写真館 賃金 料理 大学の法人化



2012年 8月23日

沖縄での枯葉剤貯蔵認める 
米陸軍の公文書

使用実験行われた可能性も    

 猛毒のダイオキシンを含む枯葉剤が、ベトナム戦争当時、米軍によって沖縄に運び込まれていたことを認める公文書が見つかった。8月7日付の英字紙・ジャパンタイムズが報じた。

 報告書は米陸軍が2003年に作成した「ジョンストン環礁の環境アセスメント」。520万リットルの枯葉剤が沖縄に貯蔵され、本土復帰の1972年に米領・ジョンストン島へ輸送されたと明記されていた。枯葉剤問題を追及してきたジャーナリストのジョン・ミッチェル氏がジャパンタイムズで明らかにしたもの。米政府は沖縄での枯葉剤貯蔵の事実を否定してきたが、それはうそだった。

 ミッチェル氏はこれまでにも、退役軍人らの証言や機密解除された公文書などから、60年代初期に枯葉剤をまく実験が北部訓練場(国頭村、東村)で行われたことや、県内15カ所の米軍施設に貯蔵されていたことを報じている。

 北部訓練場は、原生林の植生がベトナムと似ており、枯葉剤の効果を試すうえで好都合だったのだと思われる。

 実際、北部訓練場の中で、現在は国有地になっている土地に草や木が全く生えてないところがある。以前米軍の施設があった場所であり、「枯葉剤実験の跡ではないか」と、今年1月から市民団体などが調査を始めていた。

 米軍によるベトナム戦争の枯葉剤作戦は1961年から10年間続けられ、森林地帯や生態系が破壊されたばかりでなく、ダイオキシンによる人体への影響が今なお続き、被害者は死亡者も含め現在まで300万人を超える。

 琉球大学の阿部小涼准教授は「枯葉剤の入ったドラム缶を埋設放棄したという証言もあり、腐食から漏れ出して汚染が広がる可能性もある」。北部訓練場のある森林地帯は沖縄の水がめでもあり、環境汚染や健康被害が心配される。
                                                  

府職労ニュースインデックスへ