京都府職員労働組合 -自治労連-  Home 情報ボックス 府政NOW 京の写真館 賃金 料理 大学の法人化



2012年 8月 7日

日韓の原子力政策に共通点 
脱核法律家グループ代表 キム・ヨンヒ弁護士

〈被爆67周年原水禁大会・国際会議から〉   

 韓国の原子力安全委員会の委員長は原子力産業の元幹部で、独立性に疑いを持たざるを得ません。日本で発足する規制委員会も韓国と同じく権限が集中しており、秘密主義を助長する恐れがあります。

 両国は原発の稼働と停止における自治体の立場も似ています。日本では立地地域と電力会社の間に協定が結ばれていますが、法的拘束力はありません。韓国でも自治体と住民は安全を何ら確かめられません。

▼「賠償制度改めよう」

 原発事故の賠償のあり方も共通点が多い。

 原子炉は設計や建設のミスで大事故に至ることがあり得るのに、日韓の原子力損害賠償法は電力会社だけに責任を負わせています。これは米国の法律から生まれた「責任集中原則」の考え方があるため。電力会社が事前に用意する賠償額(日本で1200億円)を超えた場合、国の支援制度もありますが、地震を恐れて保険会社が引き受けないので政府が補償しているのが実情です。これでは電力会社のモラルハザードをもたらしかねません。

 日本は米国の要請で、原子力損害賠償補充制度(CSC)に加入するそうです。しかし、CSCが定める賠償額は不十分で「例外的な巨大な天災地変」は免責されるなど、被害者保護の観点はみられません。今後は損害が出た際に原発のメーカー、建設会社に罰金を科す制度や、原発事故の関連訴訟を支援する基金をつくるのが不可欠です。                                                     

府職労ニュースインデックスへ