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2012年 2月14日

石原都知事が市民を侮辱
 原発住民投票の是非めぐり

「原発反対は猿と同じ」 

 電力の最大消費地である東京都で原発稼動の是非を問う住民投票を求める署名が27万9881筆(2月10日現在)集まり、投票条例制定請求に必要な数を上回りました。これについて、石原慎太郎知事は2月10日の会見で、署名集めに奔走した市民や署名した有権者を侮辱しました。

 「そんな条例をつくれるわけないし、つくるつもりもない。人間で一番厄介なのはセンチメント(感傷)だ。原爆のトラウマの恐怖感で言っている。代案も出さず原発反対を言うのは人間が猿になるのと同じ」

▼知事に決定権はない
 
 住民の直接請求制度を定めた地方自治法は、有権者が必要な署名を集めて条例制定を請求した場合、首長は議会を召集し、条例案を提出するよう義務付けています。首長は議会に意見書を出せるものの、条例案の可否はあくまで議会の多数決で決まります。

 つまり、石原知事には今回の請求を決める権限はないのです。同じく原発住民投票を請求された大阪市の橋下徹市長も制定に否定的ですが、「民意を重く受け止める」と述べたのに比べても、制度への理解が著しく欠けています。

▼市民の動機見誤る

 署名を集めた市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」に加わった人は「原爆のトラウマ」で動いたのでしょうか。

 寒空のなか街頭署名を呼びかけた中心メンバーは、従来の反核運動に携わってきた人ではありません。むしろ市民運動とは無縁な人が、福島原発事故を起こしても原発再稼動をめざす政府や財界に危機感を覚えて立ち上がったのです。
 グループの女性の一人はこう言います。
 「原発が動く限り、国民は安心して暮らせない」

▼まさに「夜郎自大」

 石原知事は署名集めの様子を見たことがあるのでしょうか。有権者の思いに鈍感であることは政治家として失格で、一方的に決め付けて批評するなどは人としても問題です。

 ノンフィクション作家の佐野眞一氏は、ソフトバンクの孫正義社長の評伝「あんぽん」のなかで、東日本大震災を「天罰」と言い放った知事をこう批判しています。

 「夜郎自大な発言をして満天下に恥をさらした。いまや石原慎太郎は“使用済み核廃棄物”でしかない」 今回の暴言も同じ評価に値します。


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