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2012年 12月21日

放置される老朽インフラ 
トンネル事故はなぜ起きた?

高速道路は全国約4割もの区間が「築30年以上」

 山梨県内の中央自動車道・笹子トンネルで、吸排気用換気ダクトを確保するためのコンクリート製天井板が大量に崩落し、9人が命を落とすという最悪の事故が12月2日、発生しました。悲劇を繰り返さないためにどんな対策が必要でしょうか。

▼「民営化」で手抜き検査 

 天井板を吊り下げていた金属製部品の一部が脱落していたことなどから、運営する中日本高速道路株式会社は「老朽化の可能性」を指摘しています。

 その後、同社の管理体制の不備が明らかに。天井板の上の部分を今年の春に点検した際、目視検査だけで構造物内部の腐食や劣化を見つける打音検査を、事実上行っていなかったのです。天井板から約5メートル上方にあるトンネル最上部を点検していれば事故は防げたかもしれません。

 実際、前回の点検(2000年)では、天井板の上に足場を組み、トンネル最上部の打音検査を行っていました。

 この2つの検査方法を分けたのが、「日本道路公団の民営化」です。その主な狙いの一つが、「3割のコスト削減」(猪瀬直樹・日本道路公団民営化推進委員=当時)でした。

 トンネルの建設は1977年。「老朽化」は予想できたはず。同社の管理体制の検証と、事故原因の徹底究明が待たれます。

▼維持・修繕重視へ
 
 国土交通省は全国の同じ形式のトンネルについて、緊急点検を始めましたが、老朽化施設は年々増加しつつあります。

 高速道路は全国約4割もの区間が「築30年以上」。国が管理する橋は、20年後には6割が、強度に問題が生じやすくなる「築50年以上」になります。地方ではさらに厳しく、通行規制を行う危険な橋は12年4月現在、計1378カ所にも上ります。

 同省は04年以降、道路橋の「長寿命化」をめざし、こまめに点検・修繕を行う方針を打ち出してきましたが、一方で、橋やトンネルの補修、耐震補強のための予算は従来同様、新規建設の2割(11年度)に満たないのが現状です。

 国交省の職員らでつくる国土交通労組は、以前から「老朽化」の問題を指摘し、この予算配分の転換を提言してきました。

 山崎正人副委員長は「壊れたら新しく作ればいいという考え方では、人の命が失われてしまう。不要不急の大規模な公共事業から、維持・修繕重視への転換が必要です」。

 その効果は安全面にとどまりません。スーパーゼネコンだけが潤う、大型公共工事と違い、地域に根を張る建設業者の仕事確保と、地域経済の活性化にもつながると訴えます。

                                      

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