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市民サービス、548億円減へ |
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社会的弱者にも「痛み」求める |
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大阪市の改革プロジェクトチームは4月5日、市民向けサービスを今年度から3年間で約548億円削るという試案を発表した。市営交通機関を無料利用できる「敬老パス」の自己負担導入や市営スポーツセンターの統廃合、国民健康保険の減免措置廃止など市民に対し「痛み」を求める内容だ。今後、議論を深めて今年度から予算案に反映させる。労働組合からは市民生活の悪化を懸念する声が上がっている。 見直し試案によると、大阪市は今後10年間一般会計で500億円の収支不足になる。このため、「収入の範囲内で予算を組む」として、「市役所のグレートリセット(全面的なつくりかえ)」が必要と強調。市職員の人件費削減と外郭団体の廃止とあわせて、市民サービスの廃止・縮小などで2014年度までの3年間に約548億円の経費削減を行うとしている。 ▼橋下市長「市民は厚遇だ」 70歳以上の市民が市営バス・地下鉄を無料利用できる「敬老パス」は、高齢化で財政負担が重くなるとして利用者に半額負担を求める案を検討している。一人暮らしの高齢者に対する配食や地域住民の見守り・相談事業などは「他都市より上回っているものは縮小する」とした。 市営施設・文化事業も廃止・縮減する。各区にある温水プールやスポーツセンターなどの施設は統廃合する。大阪フィルハーモニー協会や文楽協会への運営補助も25%削減する。 社会的弱者や子育て世帯も例外ではない。市独自で行っていた低所得世帯向けの国民健康保険料の減免措置や、ひとり親世帯・重度障害者世帯などを対象とする水道使用料の減免措置を廃止、保育料の軽減措置も縮小する。がん検診も効果が不明確として廃止を盛り込んだ。 生活保護の扶助などについては、市に削減する権限がないため対象外だ。 橋下徹市長は同日、「バブル期とは状況が違う。大阪市は特に住民サービスが手厚い。他都市並みのレベルに落としたい」と話し、市民への「厚遇」にメスを入れる考えを強調した。試案は5月にパブリックコメントを実施したうえで、7月にも今年度の本格予算案に反映させる方針だ。 ▼住民生活は切り捨てへ これに対し大阪自治労連の荒田功書記長は「これまで職員基本条例などで市職員や労働組合を攻撃してきたが、市民サービスの切り捨てがいよいよ表に出てきた」と警戒感を強める。「試案は年寄りから子どもまで全世帯に負担を強いる非常に冷たい中身で、削減した場合の市民生活への影響に関する検証も不十分だ。きっちり反撃しなければ、安易に市民生活が切り捨てられる」と指摘し、住民の要求を汲み上げる運動に力を入れることとしている。 公務員の「厚遇」を批判して高い支持率を得てきた橋下市長だが、今度は市民生活に矛先が向けられた。それでも「財政難だから仕方がない」「市長の決定は民意だ」で済ませてしまうのかどうか。市民が納得できる議論と決定を保障することが最低限求められている。 |
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