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2012年 2月28日

やっぱり米韓FTAがモデル
 TPPに関する米関係者の思惑

首藤議員らの調査で明白に 

 日本政府は、TPP(環太平洋経済連携協定)に入ったら日本の産業や社会がどうなるのかについて、具体的な情報がないまま参加を決めようとしている。そんななか、米国側の関係者は繰り返し「TPPの中身は米韓FTAをみれば分かる」と語っている。民主党の首藤信彦衆院議員も2月25日、自ら参加した米国調査の内容を報告するなかで、そのことを指摘した。米韓の協定は「不平等条約だ」として、いま韓国で大きな反発を招いている。

 首藤議員は、「TPPを考える国民会議」の一員として今年1月、米国調査に参加。TPP交渉を担当するUSTR(米国通商代表部)や業界団体を訪問して意見交換した。

 USTRは、TPP交渉で話し合われている内容について答える代わりに、調査団にこう述べた。

 「日本側としては、米韓FTAをよく見ておくとよいだろう。知的財産権その他のセクターで、どのような議論がされているのかが分かる」「(コメなどの関税をどうするかは)米韓FTAが大変参考になる」(いずれもウェンディ・カトラー通商代表補)

 同じ指摘は、米国製薬研究工業協会や米国商工会議所でもあった。商工会議所は「実際のTPPのドラフト(原案)は米韓FTAがモデルとなる」と言い切った。

▼これでは不平等条約
 
 米韓FTAは、(1)米企業が韓国の政策で損をした場合に韓国政府を提訴できる(2)韓国に規制緩和の後戻りは許さないが、米国は許される(自国の関税撤廃を無効にするのは可能)(3)知的財産権を直接規制できる――などが特徴。不平等条約だとして、韓国国内では反対運動が広がっている。

 日本政府は米国から現時点でTPP参加の是非を判断するだけの十分な情報を提供されていない。ニュージーランド政府が明らかにしたように、参加国の交渉内容は協定発効後4年間は公表しないことになっているためだ。そんななかで、日本は韓国のように不平等条約を押し付けられることだけがはっきりしてきた。

 首藤議員は「米韓FTAにはソウル市も大きな懸念を示している。自治体や地域社会にとって大きな問題だということ。この点も私たちはもっと研究しなければならない」と語った。

 首藤議員の報告は、全労連や農民連などでつくる全国食健連のシンポジウムで行われた。シンポには220人が参加した。


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