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2012年 11月 6日

規制委の真価いよいよ試される 
大飯原発の断層調査

クロ判定を7日に持ち越し

 関西電力大飯原発の敷地内にある断層(破砕帯)が活断層かどうかを調べる原子力規制委員会の有識者チームが11月4日に都内で会合を開き、「活断層の可能性」を指摘した。しかし、「地滑り」を主張する意見も出て、クロ判定は7日の次回会合に持ち越された。

▼活断層の可能性高まる

 発足時に「政治経済は考慮しない」と宣言した規制委の真価がついに試される。

 運転中の同原発に活断層がある可能性が高まったのは、2日の現地調査で敷地北側に「F―6断層」とみられる地層のズレが見つかったためだ。規制委の島崎邦彦委員ら5人のチームは「ズレは12万~13万年前以降に起きた」との見解で一致。この時期は国の指針でも活断層とみなされ、東洋大の渡辺満久教授は「運転を停止すべき」とした。

 しかし、立命館大の岡田篤正教授は「地滑り」の線で譲らず、産業技術総合研究所の重松紀生主任研究員も同調。信州大の広内大助准教授は「どちらにしてもクロに近い」と述べた。

▼「地滑り」ならば稼働

 非常時に冷却水を取り込む配管の下を通るF―6が活断層ならば、規制委は関電に運転停止を求める。地滑りならば「ズレは局所的」とされて稼働は続く。規制委は各地の原発の断層も調べる予定で、手始めとなる大飯でクロ判定が出れば、再稼働は遠のく。特に、福島事故前に発電量の4割を原発に頼ってきた関電には死活問題となる。

 関電は表向きにもナーバスになっている。以前から地滑りを主張してきたが、10月31日には規制委に活断層を否定する中間報告書を提出。記者会見に報道関係者以外は入れないのは常識だが、4日の会合後の会見に社員が参加しようとして規制委の担当者に注意された。

▼揺れる責任者

 そのせいか判断の責任を負う島崎氏も揺れている。この日の会合で「地滑りというのは難しい」と言いながら、会見では「新たに見つかったズレは直接見ていない」と考えを明かさずじまい。7日の会合についても「関電の反論を聞く。(結論は)分からない」と言葉を濁した。

                                        

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