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2012年 3月 5日

「核兵器禁止」と「原発ゼロ」を
 被災58年3・1ビキニデー集会

今年はNPT再検討会議の第1回準備委員会の年 

 「被災58年3・1ビキニデー集会」(主催・原水爆禁止世界大会実行委員会など)が3月1日に静岡県焼津市で開かれ、約1800人の参加者が「核兵器禁止条約の交渉開始」と「原発ゼロ」を求める運動の強化を確認し合った。

 参加者たちは集会前に市内を行進し、福島原発事故を受けて「核被害を二度と起こすな」とアピール。ビキニ事件の犠牲者で第五福竜丸無線長の久保山愛吉さんが眠る弘徳院での墓前祭に参列した。

 集会では、安斎育郎・立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長が「日本人は放射能被害には関心を寄せるが、なぜ54基も原発があるのかという政治経済への関心が著しく低い」と講演。福竜丸元乗組員の大石又七さんも「日本の原発はビキニ事件のどさくさにつくられた」と指摘した。

 ビキニ事件の発端となった米国水爆実験で故郷を追われたマーシャル諸島のロンゲラップ島民を代表し、グレース・アボンさんもスピーチ。「米国は『安全だ』として、私たちを帰島させようとしているが、除染されたのは島のごく一部だ」と訴えた。

 集会の実行委を務める日本原水協は、4月にオーストリアのウィーンで開かれる核不拡散条約(NPT)の再検討会議の第1回準備委員会に合わせ、日本被団協とともに新たな原爆写真展を開く予定だ。

「福島で起きていること知って」/浜通り医療生協の工藤史雄さん

 「被災58年3・1ビキニデー集会」には、原発事故に苦しむ福島からも9人が参加。その一人、浜通り医療生活協同組合の工藤史雄さん(34)は「それでもフクシマで生きていく だから、NO!原発」と書いたプラカードを掲げた。そこには、線量計を手に持った1歳の息子の写真も載せていた。

 工藤さんは、福島第一原発から約45キロにあるいわき市内の病院で医療事務をしており、ビキニデー集会は初めて参加した。「福島で起きていることをもっと知ってほしい」との思いからプラカードを用意してきたという。

▼「原発は廃炉に」

 「福島ではテレビのニュースで空間線量を毎日伝えているが、ほかの地域ではやっていないと聞きました。みんなは福島を忘れることはできるかもしれませんが、僕たちはそのなかで生きているんです」

 福島第一原発では、最近も冷却水の温度が上昇するニュースが連日報道されるなど、不安定な状態が続いている。

 「福島県民はこれからもずっとおびえながら過ごしていかなくてはなりません。(放射能による)健康被害も心配。もう原子力にしがみつく政策はやめて、すべての原発を廃炉にしてほしい」と訴えていた。

福井の住職、原発再稼動阻止誓う/小浜の中嶌哲演さん/福竜丸の久保山さんの墓前で

 「原発銀座」といわれる福井県若狭湾の住職が、ビキニ事件の犠牲者である久保山愛吉さんの墓前で「原発再稼動阻止」を誓った。

 3月1日に静岡県焼津市で開かれた墓前祭であいさつした小浜市の明通寺の中嶌哲演住職(70)は、関西電力大飯原発3、4号機(おおい町)で再稼動の可能性が出てきたことを深く憂えた。

 「若狭湾にあるすべてが止まったのに、一度許してしまえば、原発なしでもやっていけるという事実がグレーゾーンに追い込まれてしまう」

▼「世論づくりの行動を」
 
 そのうえで「原発が全国で2基しか稼動していない状況は、原発を推進する人たちはピンチでも、平和を求める人々にとってはビッグチャンス」と強調。「ノーモアビキニで心を一つにして、第二のフクシマを繰り返さないための世論づくりに向けた行動を広めなくてはならない」と参列者に語りかけた。

 大飯原発をめぐっては、経済産業省原子力安全・保安院が関西電力のストレステスト1次評価を「妥当」と審査し、原子力安全委員会が3月中をメドに確認作業を急いでいる。重大事故への備えを具体的に示すテストの2次評価は出されていないが、政府は福井県知事やおおい町の町長の了解を得れば、1次の結果のみで再稼動させようとしている。

草の根から行動を/集会アピール

 私たちは久保山愛吉さんの「原水爆の被害は私を最後にしてほしい」との言葉を受け継ぎ、第五福竜丸の母港、焼津市に集い、核兵器廃絶の決意を新たにしています。

 「核兵器全面禁止のアピール」署名は、東日本大震災と福島原発事故の被災地支援の国民的連帯の輪の中で共同を広げ、「核兵器のない世界」を実現する新たな展望を切り開いています。

 今年は4月にウィーンで次回(2015年)NPT再検討会議の第1回準備委員会が開催されるなど、「核兵器のない世界」実現に向けた重要な年です。私たちは、日本政府にアメリカの「核の傘」から離脱し、核兵器全面禁止のための努力をするよう求めます。3・1ビキニデーを出発点に、被爆国日本の草の根から直ちに行動を広げましょう。


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