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2012年 7月26日

20年ぶりに組合員が純増
全医労の組織拡大 

青年層の運動活性化が背景 

 国立病院機構などの医療労働者でつくる全日本国立医療労働組合(全医労)が7月、20年ぶりの増勢で定期大会を迎えた。青年層を中心とした組合活動の活性化が功を奏したためだ。

 5月末時点の組合員数は、前年比で165人多い2万1020人。1992年度(当時4万6811人)以来、病院の統廃合や処遇悪化などで減少が続いていたが、ここ数年は組合加入者数が伸びて20年ぶりの純増に転じた。

▼組合員は「あなたの仲間」

 「組合が仲間を守る身近な存在だということを理解してもらえるよう心がけた」。こう語るのは、佐藤晃一書記長。約3年前から始めた「新歓プロジェクトチーム」の手応えを話す。

 全医労では、組合員の7割が4月に加入する。組合を全く知らない人が少なくないため、給与や労働条件が団体交渉で決まることなど組合の基本的な役割に重点を置いて説明。加入すれば、医療事故が発生した場合、労働者の立場で弁護士がサポートしてくれることを紹介した。パンフレットも労働条件や権利の紹介を中心とする従来パターンではなく、先輩の声を顔写真付きで大きく掲載。「仲間がいることをアピールした」(佐藤書記長)という。

 それらを説明するのは各病院・療養所支部の若手組合員。同じ学校出身の人や直接仕事を指導する先輩らが加入を訴えられるよう2月段階から体制を整えた。

 「これまではベテラン層が説明していたが、『組合が何をしているのか分からない』という反応が多かった。組合が働く権利、ひいては『あなたを守っている』ことを伝えるようにした」

▼「カルガモ作戦」も

 末端の組合員にも活動が分かる「見える組合」もめざした。職場のグチや要求を先輩に話せる場を設け、組合が情報を発信して団体交渉を重ねた。毎年11月には、職場の課題を自由に選んで「みんなに見える運動」に取り組む全国規模の運動も展開。今年は組合役員が会議などに若手を積極的に連れて行く「カルガモ作戦」を行った。若手が書記長などの役員を務める職場も出てきている。

 20年ぶりの増勢について佐藤書記長は「今の若者は奨学金を借りたり、親がリストラされたりするなど苦労してきた人が少なくない。高校生の頃に日比谷公園の『派遣村』を知ったりして、組合への関心が高い。たまたま増えたのではなく、組合が求められている状況ではないか」と指摘。今後の活動をこう強調した。

 「仲間を守るためには組合の力が必要で、そのための組織の拡大だ。次代を担う若者の声に耳をかたむけながら、要求の前進につなげていきたい」

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