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2012年 4月13日

希望持てない働き方の改善を
全労連が官製WP告発集会 

国の制度整備訴える 

 全労連公務部会と非正規センターが4月7日に都内で開いた「官製ワーキングプア告発集会」では、国や自治体などで働く非正規労働者らが、「希望の持てない働き方」を改善するため国の制度整備を訴えた。
 発言を一部紹介する(文責・連合通信)。

▼自分の仕事の求人を紹介/国の非常勤職員/全労働 

 官製ワーキングプアの問題は法制度が十分でないことに尽きる。民間の労働者保護法が適用されず、法の谷間に置かれている。

 給与と任用は各省庁の予算任せ。労働行政で言えば非正規職員への一時金は本省しか支給されず、地方のハローワークや労働基準監督署は支給されない。その本省の非正規も特例賃下げ法で一時金が引き下げられることとなった。

 また、今も一律3年雇い止めが残っているところもある。撤廃させても予算がなければ真っ先に切られていく。ハローワークの相談窓口には非正規が多く、彼らは自分が雇い止めにされた後の相談窓口業務の求人を紹介しなければならないという辛いことが起きている。不十分な法制度を変えなければならない。

▼12年目も同じ賃金/学童保育指導員の現状/千葉・船橋市職労
 
 東日本大震災が発生した夜、都内で働く父母の多くが帰宅できなかったため、学童保育では暖をとりながら、朝まで子どもたちを見守っていた。

 指導員は全員非正規。一時金も経験給もなく、勤続12年の人も今春働き始めた人も給与はまったく同じ。半年ごとに2週間の待機期間(クーリング期間)を設けられるため、年次有給休暇の繰り越しもできず、年収は150万~200万のワーキングプアだ。

 そのため、指導員の出入りが激しい。先日、1カ月で退職した指導員が退任あいさつをした際、ある一人の児童が「意味ねえじゃん」と叫んだ。そんなことを言うものではないと諭したが、確かにこの児童の言う通りだとも思う。指導員が頻繁に変わることの子どもへの影響を考えなければならない。

▼8年でやっと13万円/福祉職場は人手不足/福祉保育労 
 
 低賃金重労働が当たり前の産業。元々、福祉職場の生涯賃金は正規公務員の半分、3分の1以下が当たり前と言われていた。

 近年、国や自治体が決める収入単価は低下。また、定員配置に関する基準が緩和され、正規の代わりに非正規の導入を促すものとなり、今では非正規が圧倒的多数となった。

 一方、正規も地方では手取りが月10万円以下というものもある。先日、金沢の勤続8年の男性保育士から電話があり、「やっと手取りが13万円を超えました」と言ってきた。

 このような状況だから、「寿(結婚)退社」は男性が多い。さらに、「働こうと思われない職場」になっている。

 特別養護老人ホームを建設したものの、求人の応募がほとんどなくオープンできなかったというケースが関西であったとも聞く。負のスパイラルからの転換が必要だ。
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 集会では、朝日新聞元編集委員で労働問題を長く取材してきた竹信三恵子・和光大学教授が講演した。公務員バッシングの狙いは、公務・公共サービスの削減にあると指摘。セーフティーネット機能の維持・拡充のためには、必要な人員配置と、安心して働ける労働条件の確保が必要だということを、納税者にわかりやすく説明する努力が必要だと語った。

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