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「若者の長時間労働なくしたい」 |
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龍基金の授賞式で思い語る |
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「若い人たちが、長時間労働を我慢することが社会人として当然だと思う状況を改善したい」──。居酒屋チェーンのワタミで2008年6月に娘の美菜さん(当時26歳)を過労自殺で亡くした森祐子さんが8月5日、こう決意を語った。過労死根絶に尽力した人に贈られる第6回「龍基金」授賞式で語ったもの。 ▼休日も研修に参加 美菜さんは08年4月にワタミフードサービスに入社した。神奈川県横須賀市内の店舗で午後3時に出勤し、翌日の早朝6時帰宅の週6日勤務を繰り返していた。慣れない仕事のなか、店長から叱責も受けた。休日は会社が求めるボランティア活動や新人研修会に参加。母親には「休日が(正式な)休みであればいいけど」と漏らしていたという。 08年6月11日、6日勤務明けの早朝から始まる新人研修会に参加後、翌日に自宅近くのマンションで死亡している美菜さんが発見された。死因は「墜落死」。入社からわずか2カ月11日だった。 ▼ワタミは防止対策を 「娘の性格なら会社を辞めて実家に帰ってくるはず。本人に任せていたのが本当に悔しい」と祐子さんは振り返る。労災認定後の今年5月、ワタミ側は賠償額を提示してきたが、「ただ賠償に応じるだけでは娘を2度失うことになる」。 祐子さんは、ワタミ側に対し過労死防止を求めている。そのために上司の店長についても、「べらぼうな時間を働き、それを他の社員にも求めるような状況を改善するしかない」「店長は被害者であり、新入社員に対する加害者でもある。それを断ち切りたい」と語る。 こうした過酷な働かせ方はワタミだけでなく、社会全体にまん延しているのが実情だ。「若い人たちは長時間労働をしても、それを我慢することが社会人として当然のことだと思わされている。(授賞を通じて)理不尽な長時間労働にノーと言い、改善を考えるきっかけになれば」と話した。 龍基金は、外食大手「すかいらーく」店長だった中島富雄さん(当時48歳)の過労死事件の解決金の一部を基に06年に設立された。毎年、過労死根絶などをめざす闘いに貢献した人を表彰し、今年はワタミ過労死遺族の森豪、祐子さん夫妻が選ばれた。 |
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