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2012年12月27日

若者の雇用が深刻
国内労働団体が取り組み始める  

全労連は「まともな雇用」求めキャンペーン 

 若者の雇用が深刻です。15~24歳の失業率は8・2%(2011年)と高止まりし、非正規で働く割合も全世代平均を大きく上回っています。若者を使い捨てにする「ブラック企業」のまん延も見過ごせません。少なくない若者が卒業後にまともな仕事に就けないという事態は、日本社会の基盤をも掘り崩しかねい問題です。この改善に向けて、国内の労働団体が取り組みを始めています。

▼社会の存続に関わる

 若者の雇用が傷んだ主な要因として、旧日経連が1995年にまとめた経営指針「新時代の日本的経営」が挙げられます。少数の正社員が企業の基幹業務を担い、その他の業務は多数の非正規労働者で補うとされ、その後の正規採用の抑制、非正規雇用の拡大につながりました。「買い手市場」の労働市場や、労組の組織率低下ともあいまって、働く者の権利をないがしろにする企業もまん延しています。

 このような若年雇用の改善は、世界共通の課題でもあります。グローバル化が進むなか、企業は育成が必要な若者の雇用を真っ先に削減し、非正規労働に置き換えてきたからです。事態を重く見たILO(国際労働機関)は12年の総会で、若者の失業・不安定雇用の増加を「社会基盤を脅かす」とし、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の創出を「最優先課題」に位置付けました。

 国内では労働団体が取り組みを始めています。
 
 全労連は13春闘で「若者にまともな雇用を」と訴えるキャンペーンを展開します。アンケートや労働相談、シンポジウムなどを通じて実態をつかみ、有識者や関連団体との連携を進める考えです。連合も、長時間労働への規制の検討などを盛り込んだ若年者雇用対策を10月に決定。誇大な広告で求人を募集したり、労基法を守らない悪質企業への対策も検討するとしています。 若者の雇用の改善は猶予は許されません。30歳代非正規労働者・男性の4人に3人が未婚との調査結果も示されるなど、雇用の質の低下は、社会の存続をも脅かす問題です。参院選の争点に浮上させる旺盛な取り組みを期待したいものです。

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