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2012年 2月21日

「卒業目前なのに決まらない」
就活学生の厳しい現実

合同就職面接会の会場で

 学生が厳しい就職活動を続けている。今春の卒業を間近に控えているのにまだ決まらない──。頑張っても面接にたどり着くのさえ容易ではないという。「就活」に奮闘する若者たちの今を見つめた。

▼書類審査でアウト

 2月14日。生憎の雨模様のなか、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた「大卒者等合同就職面接会」に、黒いスーツに身を包んだ学生ら1715人が詰めかけた。就職面接会は、4月からの入社を希望する学生らを対象に、主に中小企業173社がブースを出展した。

 「就活は厳しい。来月に大学を卒業するので焦っています」。こう語るのは、関東学院大学の経済学部4年の男子学生(21)。新卒の採用活動が一斉にスタートする3年秋(昨年から冬に移行)ではなく、4年の春から就活を始めた。「大手の多くはすでに募集を締め切っていて、かなり出遅れてしまった」と唇を噛む。

 これまで営業や経理職で15社ほど応募したが、面接にたどり着けたのは2社だけ。学生の大手志向で競争が激しくなるなか、今や学生一人当たりのエントリー(応募)数は平均70~80社(文系)が当たり前。「どこの会社も応募が殺到している」(男子学生)ため、学生の意欲にかかわらず、書類審査の段階で振るい落とされるのが実情だ。 

▼短大生の内定は4割台

 とりわけ就活で大きく不利となっているのが女子学生や短大生。美容関係の企業の面接を受けたという都内の私立短大生(20)は、これまで約40社に応募した。地元の福島でようやく1社から内定を得たが、「東京に残って夢を見つけたい」との思いを断ち切れず会場に足を運んだという。「周りは四大生ばかり。短大生だと企業の目は厳しい」。

 厚生労働省の調査によると、昨年12月1日時点の短大生の就職内定率(女子のみ)は47・9%。大学生の内定率約7割、専門学校生の約6割を下回る。同短大生は「周りには就職先が決まらない人がいっぱいいます。企業は学校の名前だけで採らずに、短大生の私たちを人間として見て」と訴えた。

 1カ月後の卒業を控えている私立大学4年の女子学生(21)は「コツコツ頑張る性格を生かして事務職で働きたい」と自分をアピールする。これまで「数十社」受けた面接では、「人事担当者から『結婚・出産を考えると女性は採りづらい』『女性は難しいね』と直接言われた」という。

 「自分の努力不足もありますが、就活のルールを変えるよりも、社会全体で女性が働きやすい環境をつくってほしいです」

▼「企業は採用増やして」

 企業側では、大学卒業後もおおむね3年以内は「新卒」扱いとする動きが広がっている。国もそうした既卒者を採用した企業に対し奨励金を支給して力を入れる。大半の企業が「既卒者の応募可」と明記して出展していたが、学生側の不安は依然として大きい。

 総務や経理職で3社の面接を受けた東京・目黒区の男性(23)は「昨年4月に大学を卒業して就活はもう2年。1~2人の採用枠に30~40人が応募しており、採用の絶対数が足りない。新卒より魅力の薄い自分は結局、自ら価値を高めるよう頑張るしかない」とこぼした。

 終わりが見えない就活に若者たちの苦悩は続く。

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