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地方の経営者協会最賃改善へ期待 |
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内需拡大望む経営者を味方に |
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企業側は、最低賃金の大幅引き上げの流れを阻止しようと巻き返しを強めているが、その対応は一様ではない。賃金抑制ばかりでは消費拡大は望めないという意識も広がり始めており、国の中小企業支援策の拡充に期待が寄せられる。 ▼経協に足並みの乱れ 37地方の経営者協会は昨年、最賃改定で慎重審議を求める連名の要望書を国に提出。今年も41地方(37道府県、4地域)の経協が同様の要請を行った。 一方、東北6県では、連名は岩手(2年連続)と青森の2県だけ。今年も名を連ねなかった山形県経営者協会は「労使の信頼関係は未来永劫(えいごう)培っていかなければならない。東北はいわば開発途上。要請の趣旨は理解するが、対応はおのずから違ってくる」と連合通信社の取材に答えた。 今年は一転、連名を断った長野県経営者協会は「昨年は震災で経済がパニックだったが今年は違う。最賃の基本は労使自治。真剣に議論するなかで前に進めたい」と話している。 経団連の下部組織でも対応は一様ではない。 ▼経済再生の課題に 昨年は生活雑貨用品の製造・販売を行うアイリスオーヤマの大山健太郎社長が新聞のインタビューに、最賃の引き上げは生活水準改善と消費拡大にとって「一石二鳥」と語った。同年末には、内需拡大を訴える「国民生活産業・消費者団体連合会(会長・清水信次ライフコーポレーション会長)」も発足。輸出大企業主体の経済政策に異を唱える経営者グループがあらわれた。 地場の経営者との懇談を重ねてきた労組の関係者は、「地域経済のことを真剣に考える経営者が、静かに広がっている。そうした経営者たちに最賃引き上げに踏み出してもらうためのカギとなるのが、国の中小支援策だ」と語る。 ▼企業も中小支援を要望 「雇用戦略対話における合意の前提条件の一つである中小企業支援については、いまだ十分な成果を見るに至っていない。このため、国による実効性ある施策の早期の実施を強く要望するものである」 京都地方最低賃金審議会が昨年、中央最賃審議会の目安(1円)プラス1円の「2円」引き上げを決めた際、答申にこの文章が書き加えられた。改定では使用者側の一部が賛成した。 国の支援とは「最低賃金引き上げに向けた中小企業への支援事業」。「雇用戦略対話」の目標実現のために予算化された。 その主な事業は、「自社の最も低い時間給を計画的に800円以上に引き上げる中小企業」に対し、設備投資や研修に必要な経費の半額を助成する(上限100万円)というものだ。 賃上げを行おうとする企業への生産性向上支援。せっかくの制度だが、前述の京都など、最賃が700円を超える地方は対象から外されている。 ▼規模が小さすぎる 11年度の予算総額は50億円。労働問題研究家の筒井晴彦氏は「連邦最賃の引き上げで07年から約8800億円の中小企業向け減税を行った米国や、最賃引き上げ時に約2兆2800億円の社会保険料負担分を軽減したフランスと比べて、規模があまりに小さすぎる」と指摘する。加えて、一方的な単価の引き下げや買い叩きなど、不公正取引への規制を厳しく行うことも必要だと強調する。 前述の支援は5000事業場を見込んだが、ふたを開ければ申請417件中、交付は402件、3億円余りの支給にとどまった。そのため12年度の予算総額は35・2億円に減額された。 制度の周知や支援対象の拡充など、使いやすい制度にするための課題は多い。 |
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