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2012年 5月21日

若者が「日本型雇用」を支持
JILPT勤労生活調査 

就職難や非正規の増加を反映 

 終身雇用や年功賃金など「日本型雇用慣行」を支持する割合が若い世代の間で増えている――。労働政策研究・研修機構(JILPT)が5月8日に発表した「第6回勤労生活に関する調査」で、こんな結果が示された。就職難や雇用不安に向き合わざるを得ない若者の苦悩が反映していると考えられる。調査は1999年の開始以来6回目。昨年11~12月、全国の成人男女2264人が答えた。

 終身雇用を支持すると答えた人の全体の割合は、99年に72・3%だったのが、格差や貧困の広がりが注目され始めた04年から07年にかけて急激に増え、2011年調査でも87・5%と高い水準を示した。一方、年功賃金に対しては、成果主義賃金への批判が強まった01年以降急増、調査開始時の60・8%から、11年には74・5%となっている。

 特徴的なのは、従来はこれらの項目に対し比較的冷ややかだった若者世代の支持が急増していることだ。終身雇用を支持すると答えた20代は、調査開始時には67・0%だったのが、11年には84・6%に。年功賃金も一時54・1%に落ち込んでいたのが、07年には75・5%に増え、どちらも他の年代とほとんど変わらなくなった。

 近年、「シューカツ自殺」が問題になるほど、若者の就職難は深刻化。卒業後最初の仕事が非正規というケースもみられるようになった。社員を消耗品のように使い捨てる「ブラック企業」の存在も雇用不安に暗い影を落とす。

 こうした若者の雇用環境の変化を反映してか、調査結果では、一つの会社で長期間勤めることによるキャリア形成を望む割合も年々増加。「日本がめざすべき社会」観も、「競争重視」から「平等重視」に劇的に変化している。

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